先日日本新聞協会から発表された【『2009年全国メディア接触・評価調査』(PDF)】。新聞社サイトでは「新聞はいまだに最重要メディアですッ」的な報道が相次いで、データをちらりと見たけど、なんかきな臭さがあったので週末に分析しようかな、と思っていたら。
(前略)
ところがこの接触率、これでも実情よりも高い値が出ている可能性が大きい。
新聞というメディアの特性を考えれば分かるように、新聞の接触率は高年齢層ほど高くなる。実際P22に記載の新聞に接触している人の割合によれば、15-19歳の接触率は76.2%なのに対し、60歳代の接触率は96.3%にも達している。つまり仮に回答者に高年齢層が多ければ、接触率は実際よりも大きい値が出るわけだ。
調査報告P2に母集団の構成・標本の構成が掲載されている。次の表はその抜粋だが、母集団に比べて標本では高年齢層の割合が明らかに大きくなっていることが分かる。たとえば20歳代は母集団では16.4%なのに対し標本では11.8%に過ぎない。一方、60歳代は母集団では18.3%なのに対し、標本では23.2%にもふくれあがっている。30歳代以下は母集団の割合よりも低く、40歳代以上は母集団の割合よりも大きくなっている*3。
この事実を考慮すると、2009年調査における新聞の接触率は、高年齢層の回答に引っ張られて、数%程度大きく算出されていることが想像できる。
(後略)
なるほどね。先に総務省統計局のデータをもとに分析した【週刊誌や雑誌、書籍の支出額をグラフ化してみる(拡大版)…(上)世帯や一人あたりの金額推移】や【週刊誌や雑誌、書籍の支出額をグラフ化してみる(拡大版)…(下)購入世帯率や購入頻度の移り変わり】、【新聞や雑誌の買われ方はこの10年でどのように変化したのか……週刊誌や雑誌、書籍の支出額をグラフ化してみる (追補編)】と比べると「?」というところがあったんだが、そういうからくりがあった、と。普通、こういう調査の場合、各階層で回答傾向が異なる場合には母体の比率に調整値を足し引きしたり、日本の人口統計比率に合わせた調整をするもんだけどね。まぁ色々あったんだろうて。
余談。我田引水といえば、民放連のレポートも似たような感じだったなと思い、【民放連曰く「諸君らが愛してくれたテレビの広告費は減った。何故だ!?」】の最新版でも作ってみようかしらと最新版データを探してみたところ……
……をぃをぃ。開かれた報道はどこにいった?(笑)
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