↑ 「先を越された……」
……とは、【不思議な彼女の資産は何億円!? デイトレ娘が主人公の「ビリオネアガール」連載スタート】でも紹介した「ビリオネアガール」(原作)や「狼と香辛料」などを代表作に持つ作家、支倉凍砂先生のつぶやき。提示されたリンク先は「出版社を通さずに有名作家たちがiPadへ電子書籍を展開する」というお話で、該当する公式サイトは【electricbook】。
電子書籍の一番の魅力とはなにでしょうか。どんな話題が一番心おどるでしょう。自分の場合どうも、今まである紙や今までの出版活動が「そのまま電子になりました」というニュースでは、半分くらいしか心がおどらないのです。
本が実体から解放され、もはや流通と頒布の手段が、作品の発表のハードルではなくなった。これこそが電子書籍の魅力ではないかと自分は思います。これが一番の魅力であるならばどんなことがやれるようになるんだろう。今までになかったようなことが出てくるんじゃないだろうか。
その答えを見つけようとして、とにかくまずやってみたのがこの「AiR エア」です。この本は作家、研究者、漫画家、記者、企業家など第一線で活躍する書き手が集まり、新しい可能性を実践したオリジナルの電子書籍です。
この本が成立するのなら、これからも、もっともっといろんなことをいろんな人がやれるようになると思っています。
とは公式サイトの談だが、著名作家陣の言葉だと経験に支えられた重みがあるから不思議なものだ。公式プレスリリースはこちら(【PDFファイル】)。
ちなみに支倉先生は第一声のあと、
新しいことをやるにしても、とにかく原稿がないと話にならんもんなあ……。筆の遅い自分が恨めしい。いや、締め切り入れたら書くのかなあ……
電子書籍を作家が直接、とか言うと基本的に「対既存出版社」になるけど、そんなはずはないと思う。むしろ、電子書籍で売れたものを出版社に持ち込んで書籍化してもらうことで、作家は二度おいしいし、出版社はリスク背負わないでいい、ということになると思うのだけど。
音楽のDL販売で一曲売れるごとにCDの売り上げが一枚減るのだとしたら、とっくにCDは絶滅している。
まあ、電子書籍をめぐる云々は全部、この先流行するかどうかにかかっておりますが。あと、私個人でいえば、面白い話が書けるかどうか(:D)| ̄|_
でも、『イノベーションのジレンマ』って、すごい説得力だったと僕は思うのね。何度も現れては消えてきた電子書籍も、今回ばかりはついに……ということだったら、乗り遅れるのは勘弁願いたい。
携帯小説ん時は、「うああああ乗り遅れたありえずうううう」と言って、実はサイト作って小説書いてました。(*ノノ) 途中で飽きてやめたけど('A`) 〆切りきってくれる編集さんはとても大事。
まあ、普通に考えて作家自身が宣伝だのなんだのできるわけがないので(そもそも締め切りなしで書ける奴なんて珍獣だ)、編集業務含めてそういう部門が不必要になることはなく、で、その人たちを養うには安定してキャッシュが必要で、だとすると既存のシステムが一番良くて……になる。
当然、自分に多少の金とやる気があれば全部アウトソーシングできるだろうけど、無理だろうな……。その辺も含めて、やっぱり「対出版社」にはならないと思う。少なくとも今のところは。
と、著名作家の一人として非常に鋭い指摘をしている。出版社と対立することなく、むしろ双方にとってメリットが出やすい、という考え、なるほど然り。
「ほとんど芽が出ない種蒔きなどする必要ねぇぞ、無駄だ無駄」(&民間で勝手にやれ、芽が出たら我が党に寄こせ)と抜かし、もとい語る、仕分けの方々や科学関係の担当大臣が否定する「研究開発」「トライ&エラー」「可能性への挑戦」が、電子書籍の分野でダイナミックに推し進められている感がある。是非とも芽が出てほしいものだ。
(トリガー:【ツイッター】)
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