[家賃19年滞納、保証人に3百万円請求 大分・宇佐市]
大分県宇佐市が、市営住宅の家賃を19年滞納した50代女性と連帯保証人で同県中津市に住む弟に約300万円の支払いと女性の退去を求めて提訴し、弟と争っている。弟は「過去、市からも姉からも何の話もなかった。20年近く放置した責任は行政にもある」と、市は「連帯保証人への請求は法的に問題ない」とそれぞれ主張している。
訴状によると、女性は1990年、旧安心院町(現宇佐市)の町営住宅に入居した。1年後から家賃が滞り、滞納額は今年2月末で148万8千円に達した。
市は今年4月、大分地裁中津支部に提訴。昨年9月、翌月末までの退去を求めたが、女性は応じなかった。請求は2月末までの滞納金148万円と延滞料153万円。延滞金利は国や自治体で一般的な年14.6%。女性は出廷も意思表明もせず、女性に対しては市が7月に全面勝訴した。
福岡県は連帯保証人も訴えているが、入居者が2カ月以上滞納すると定期的に連帯保証人に催告書を送っており「連帯保証人が滞納を知らないという事態はない」という。
宇佐市は08年度以降、滞納者への最終催告書を市長名から弁護士名に変更し、建物明け渡し訴訟を起こし始めた。08、09年度で計15件提訴し、同年度の訴訟の請求額は200万~64万円。家賃の収納率は07年度末の61.0%から2年連続で上昇し、09年度末は61.68%になった。滞納額も2年で約780万円減った。
【自分の歳で結婚している人は何%? 未婚・既婚率などをグラフ化してみる】でも触れているけど、特に高齢者においては女性の一人暮らしが多い。そして【東京都区部マンションの空家率と居住世帯特性】のデータを見れば分かるように、公営マンションに住んでいる事例が多数を占めてるわけだ。必然的に今後、こういった事例は増えてくるんだろうね。
それにしても家賃の収納率が6割強ってのはどういうことなんだろう。真面目に払っている人が呆れかえってしまうような比率に見えてくるんだけどな。不足分は周り回って地方税で補われるから、住民みんなで負担することになる。正直者が莫迦を見る状況は避けてほしいものだね。もちろん「どうしても払えない」状況もあるんだろうけど、それにはそれ相応の対応をすればよいだけであって、無料で住まわせ続けろというのとはベクトルが違うはず。
ちなみに「東京都区部マンションの空家率と居住世帯特性」のデータは、元々は「平成20年住宅・土地統計調査」などを参照にしている。実測値のデータとして残すべき、分析すべきものも多々あるみたいなので、未処理案件リストに加えておくよん。
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