【レジ横になぜ「団子」が置いてあるのか?~コンビニの科学第18回】
和菓子を購入するお客さまの中心はもちろん「高齢の方」です。コンビニの客層を広げるために必要な商品であることは間違いないです。高齢化社会を考えると高齢のお客さまに愛されるお店作りは必要不可欠となります。
そのために、高齢の方が店舗にきてもらうことを目的として「和菓子」や「せんべい」を強化しているのです。本来でしたら、レジカウンター上には売上貢献する、粗利貢献する商品を展開するほうが店舗の利益につながります。
そうなると和菓子はあまりもうかる商品ではないので、目立たない場所にひっそりと展開されることになってしまいます。これは、せっかく来店した高齢のお客さまには見つけることが困難になってしまいます。「このお店には欲しい商品がない」と思われてしまうと二度と来てくれません。そこで、目立つ場所であるレジカウンターに展開しているのでしょう。
【コンビニ来訪客の世代分布をグラフ化してみる(2010年4月時点)】や【一人身生活、食品は世代を超えてスーパーが頼り...世代毎の一人暮らしにおける食品・教養娯楽品の購入先をグラフ化してみる】などにもあるように、現時点ではまだ少数派だけど、今後コンビニを利用する高齢者の数は絶対数・客総数の比率共に増加することが予想されてる。で、囲い込みというか、そういう人たちのために「ついで買い」を促すための和菓子が、レジ横に置かれているという話。なるほど、確かにレジ前のワゴンには100円前後の「もなか」や「ようかん」「お団子」「おまんじゅう」を良く見かけるわな。
ただ、経験則なんだけど、お年寄りってお金にもしっかりしてるから、若年・中堅層と同じ感覚で「ついで買い」を誘っても難しいと思うんだな。POPを工夫してみるとか(お孫さんに、とかお友達とのお茶菓子として云々)、少々珍しい和菓子を紹介してみるとか、そういう工夫「も」必要かと思うな。だってありふれたおまんじゅうとか置かれても、視線がそこに向かないもの。普通の場合。ましてや高齢者はあまり周囲に注意を払いにくくなるものだよ(変な意味じゃなくて、肉体的な老化の関係で)。
(最終更新:2013/09/01)
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