【貧困脱却融資、インドに悲劇 「マイクロファイナンス」で自殺続発】
貧困層に経済的自立の道を開く金融手法として世界的に注目を集めている「マイクロファイナンス」。政府による不十分な貧困層向け教育、医療、雇用提供を補完する手段になると期待を集めたが、皮肉にも貧困層に悲劇をもたらしている。
マイクロファイナンスで融資するのは「麻薬販売に似ている」と話すのはインドの格付け会社マイクロ・クレジット・レーティングス・インターナショナルのマルコム・ハーパー会長(75)だ。マイクロファイナンスなどのテーマで20余りの著作のある同会長は「アンドラプラデシュ州の読み書きのできない女性たちに融資する業者はもっと責任を持つべきだ」と言う。
業者が女性たちをどう説得して借金させたかを調査しているカカティア大学のK・ベンカト・ナラヤナ教授(経済学)は「マイクロファイナンスは女性の力を高めるはずだったが、業者が社会や経済の進展を逆行させ、融資を受けた女性を結局、奴隷のようにしてしまった」と指摘する。
一方、ユヌス氏によると、バングラデシュのグラミン銀行の金利は教育ローンで5%、住宅ローンで8%。物乞いには無利子で貸し付けており、主な融資金利は20%が上限だという。ユヌス氏は「マイクロファイナンスが乱用され曲解されている。これは私が作り出したマイクロクレジットとは違う」と嘆いた。
ノーベル賞授与理由にもなったことで話題の「マイクロファイナンス」。ところがここしばらくの間、色々とネガティブな話が入っている。動画は去年11月の話、引用記事は先日。どうも本来の「マイクロファイナンス」の考え・仕組みから逸脱した「えせマイクロファイナンス」が横行し、悪貨が良貨を駆逐しつつあるという感じらしい。注目される、良い仕組みが生まれると類似商品が登場するのは世の常だけど、それへの対処を怠ると自らにも火の粉がふりかかり、多くの人が涙するという事例。
それと、基本的に「マイクロ」でもなんでも、お金を借りることに違いは無いよね。貸し借りに関する基本的な考え方の啓蒙も必要なのかもしれない。
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