【生活総研 生活定点データトピックスVol.5 「"コツコツ貯金"派が過去最低」 】
■"コツコツ貯金"派が過去最低
調査の開始年、かつバブルが崩壊した1992年当時、「毎月決まった額の貯金をしている」人は過半数以上(59.9%)いました。しかし、その後、厳しくなった経済状況の影響のためか、"コツコツ貯金"派は、減少傾向へ。そして、2010年には過去最低を記録し、ついに3 割(29.9%)を切りました。
■"お金が欲しい"派は過去最高
「能力」「健康」「時間」など18 項目の中から欲しいものを3つまで選ぶ質問で「お金」は2002年からずっと1 位でスコアも増加傾向。2010年には過去最高(56.8%)を記録しました。2002年以降、"コツコツ貯金"派と"お金が欲しい"派は反比例するような動きを見せながら、その差は2010年時点で26.9 ポイントにまで広がっています。
■"価値の価格"を吟味する消費へ
お金に関する別の質問を見ると、「買う前に値段をよく比較する方だ」は1992年 52.1%から2010年 57.2%へと5.1 ポイント増加。逆に、「値段が高くても気に入れば買ってしまう方だ」は1992年 50.8%から2010年 41.8%へと9.0 ポイント減少。家計が厳しい今の状況において、生活者は商品やサービスによってもたらされる"価値の価格"をしっかり吟味して消費しようとしています。
博報堂生活総合研究所の定点観測データ。20~69歳の男女を対象に2000人くらい~3000人強を対象にしたもので、この類の調査では珍しく「男女それぞれ5歳刻みを1グループとし、最も少ないグループでも有効回収数が125人となるように、最新の国勢調査に基づきサンプルの割付を行った」とあるので、調査結果はかなり信頼ができそうな部類(調査方法は訪問留置法だよ、ちなみに、ね)。
ここまではっきりと「お金に対する価値観」の動きが出てるってのは、正直珍しい。普段の生活は極力節約して、でもコツコツ長期間に渡って貯蓄すことはなく、ドカンとひと山当てて大金持ちになりたいというニーズが増えているということなのかな。個人的にはやっぱり複利のパワーの凄さもあるので、コツコツ貯めるべきだと思うのだけどねえ。
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