【"無謀"な挑戦でスイーツ革命 ローソン「プレミアムロールケーキ」】
■社長の一言が始まり
「きな粉は香ばしさがないと意味がない。食べる直前にふりかけてもらおう」
開発チームの女性陣の声が、東京・大崎にあるローソン本社の会議室で響いた。昨年12月下旬、新商品の企画会議での1コマだ。その成果は、今月15日から期間限定で販売を開始した新作「プレミアム黒みつと黄なこのロールケーキ」(190円)の人気にあらわれている。
一連の人気商品の開発は、新浪剛史社長の一言から始まった。
「9月にデザートの新ブランドを立ち上げろ。狙いはコンビニでは絶対スイーツを買わない女性だ」21年3月、べーカリーデザート部のブランドマネジャーの鈴木嘉之さんは、こう言い渡された。さっそく発足した「デザートブランディングプロジェクト」には、社運がかかっていた。
当時、コンビニは勝ち組とされていた。しかし、たばこ自動販売機用の成人認証カードの導入で、カードを持たない人がコンビニに立ち寄ってついで買いをする「タスポ効果」が息切れすることが確実で、業績がマイナスに転じることが確実な情勢だった。
乗り切るには構造転換が不可欠だった。「コンビニの客は7割が男性。この構造を変える必要があった。女性客を呼び込む切り札がデザートだった」と鈴木さんは打ち明ける。
「たまごっち」の事例があるので、事実がこの通りか否かはまた別として。「プレミアムロールケーキ」や「ウチカフェスイーツ」などが、タスポ効果切れによる反動の影響を抑えるための動き、というかそれが要因の一つだったことが改めて分かった次第。結果的には抑えるどころか業界そのもののターニングポイントにまで成長しちゃったんだけどね。また、クリームを食べさせるロールケーキってのも「堂島ロールケーキ」など既存のものがあったので、ここがまったくの初めてってわけじゃない。でもコンビニに大々的に展開したってのは、素直に評価できる。
結局コンビニってのも、販売する場でしかないからね。そこで売る商品が肝になる。コンビニを巡ると、商品開発の担当者が日々頭を悩ませながら苦労して創っている商品の数々を目にすることができて、とても楽しいよん★
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