[東穀取、コメ先物の上場申請へ 実現すれば70年ぶり]
江戸時代に大阪・堂島で生まれ、戦時の経済統制が行われるまで約200年間続いたコメの先物市場が、約70年ぶりの復活に向けて動き出した。トウモロコシや大豆など農産物の商品先物を扱う東京穀物商品取引所(東穀取)が近く、コメ先物取引の試験上場を農林水産省に申請する方針を固めた。
東穀取は2005年末にもコメ先物の上場を申請したが、農水省は「コメの生産調整に支障が生じる」などとして認可しなかった。コメ価格を決める主導権を先物市場に奪われることに反発する農協に配慮したとみられる。
今回、東穀取が再申請に踏み切る背景には、コメをとりまく環境変化がある。民主党政権になって10年産米からコメの戸別所得補償制度が導入され、米価を維持する生産調整への参加を前提にコメ農家の所得を補償した上で、価格の決定は市場に委ねる仕組みへと移行しつつある。
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