建築関係三団体緊急共同声明「容易に"想定外"を乱用するな」

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この度の震災は、近年のわが国にとって例を見ない特徴を有するものであった。すなわち、広域、大規模、壊滅的地域の存在、そして原発事故による状況の悪化である。このような震災に対して、われわれ技術者・計画者集団としてなすべきことは多い。まずは、震災の調査分析および今までに積み重ねてきた対策の再評価である。それはより信頼性の高い基準や指針の構築につながるものである。次に、急がれる緊急復旧への実行性のある提言及びどのようにして安心して住めるまちと国土経営の体系を築いたらいいのかという恒久復興への提言、さらには国土の危機管理を念頭に置いた社会システムの再編等である。それらは、やがてわが国を襲うことが予想されている、東海、東南海、南海地震をはじめとする巨大地震への備えとなるべきものである。

今回の震災は、古今未曾有であり、想定外であると言われる。われわれが想定外という言葉を使うとき、専門家としての言い訳や弁解であってはならない。このような巨大地震に対しては、先人がなされたように、自然の脅威に畏れの念を持ち、ハード(防災施設)のみならずソフトも組み合せた対応という視点が重要であることを、あらためて確認すべきである。また、当たり前のように享受してきた、電力、輸送体系のマネジメントシステムの見直しもわれわれが取り組むべき課題であろう。そして、何よりも皆が待ち望む力強い地域の再生を実現しなければならない。


トリガーとなった記事は【「『想定外』言い訳に使うな」 土木など3学会、声明で苦言】。合わせて読めば分かるけど、東日本大地震(東北地方太平洋沖地震)とその後の震災で東京電力や現行政権政党が「想定外」の言を繰り返しているのに対し、苦言を呈したものとなっている。ちらほらもれでくる情報をかいまみるに、「想定外」というよりは「なめてたばい」的な感が強い雰囲気のものも多分にあるけどね。

まぁ要は保険と同じ。絶対事故や病気にならないという自信・確証があれば保険なんていらない。逆に普通の生活をしている若年層の人が、毎月30万円も保険料を支払わねばならないような保険に入るのは心配しすぎ。期待値計算の上で係数をどのように判断するかってことなんだけど、その計算の際に「どうせ自分が関与している時にはリスクは体現しないだろう」と都合のよいように考えてたら(&保険の部分を自分の快楽のために使ったら)、リスクが体現した時にどうするのよ、それも「想定外」で責任回避するつもり? という感じかしらね。

それに。「想定外」ってのは、「思慮が浅い」ってことでもあるからね。そして「想定外だから対処できなかった」というのは、何か起きた時に柔軟な対応ができるような体制を整えてこなかったという自己の怠慢を暴露する事でもある、と。全員が全員、真田さんのように「こんなこともあろうかと」という人物になる必要は無いけどさ。

...まぁ要は首相や東電がやたらと「想定外」を繰り返すものだから「そもそも天災は全部想定外だ、責任回避に使うなゴルァ」と建築・地学関係の専門家がツッコミ入れたわけだ。言い換えれば「お前らちゃんと責任取れよ」と言ってるのと同じわけね。

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このページは、不破雷蔵が2011年3月27日 12:55に書いた記事です。

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