三菱マテリアルが東日本大地震の災害廃棄物をセメント全5工場で受け入れ

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【三菱マテリアル 災害廃棄物 セメント全5工場で受け入れ】


三菱マテリアルは、東日本大震災で大量に発生した災害廃棄物を、全国に5つある同社のセメント工場すべてでセメント原燃料として受け入れる。まず5月から宮城県の下水汚泥の受け入れを開始する。ヘドロや建築廃棄物なども、準備が整い次第、受け入れる。各工場はフル稼働させ、本格的な復旧・復興需要に向けたセメントの増産と合わせて災害廃棄物処理にも貢献していく。

今回の震災で発生した災害廃棄物量は、宮城、岩手、福島の3県で阪神大震災の1・7倍に当たる2500万トンと推定され、ヘドロや自動車などを加えれば、その2倍近くになるとの見方もある。市町村が持つ焼却施設や処分場だけではとうてい賄いきれず、国は毎年2500~3000万トン規模で産業廃棄物を処理しているセメント業界に災害廃棄物の受け入れを要請していた。

三菱マテリアルは、青森工場(青森県下北郡、クリンカ生産能力年間50万トン)、岩手工場(岩手県一関市、同50万トン)、横瀬工場(埼玉県秩父郡、同110万トン)九州工場・黒崎地区(福岡県北九州市、同60万トン)、九州工場・苅田地区(福岡県京都郡、同634万トン)の国内のセメント工場すべてで災害廃棄物を受けれることにした。九州の2工場は海上輸送で廃棄物を搬入する。

現在までに処理の要請があったのは、津波の被災により地元の処理施設が運転を停止している宮城県からの下水汚泥。経済産業省と環境省からは大量に打ち上げられたヘドロ、東北電力、東京電力からは石炭火力発電設備の石炭焼却灰の処理要請を受けている。このうち宮城県の下水汚泥は5月から受け入れを開始する。建物のガレキ類などについても準備が整い次第、受け入れる方針だ。

セメントの原燃料としての受け入れには、分別や塩分除去などの前処理が不可欠で、同社は、こうした作業に当たるゼネコン数社と処理方法の技術的な検討を進めている。

5工場はフル稼働させる方針だが、セメントの復興需要が本格化するのは半年先とみられ、その間の生産過剰分は輸出量を増やすなどして調整する。


現在公式リリースは見つからないので、覚書も兼ねて。読みなおして、ついでに三菱マテリアルの工場のページを見て思ったんだけど、セメント工場って想像以上に環境対策がしっかりしているというか、エコなんだよね。「コンクリートより人へ」なんて言葉がいかに失礼なものだったかを改めて思い知らされた感じ。

この工程で作られたコンクリートが、その一部でもいいので、被災地の新しい街づくりに活かされるといいなぁ。

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このページは、不破雷蔵が2011年4月20日 12:47に書いた記事です。

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