[品薄続くコンビニ、「製造・集荷」効率化裏目に]
東日本大震災で被災地のコンビニエンスストアの品ぞろえは、震災直後の最悪時よりも改善したとはいえ、入荷が滞っている品目がいまだにある。
新鮮な商品を効率的に店舗に送り届けることを最優先していた調達・物流網が寸断され、回復に手間取っているためだ。経営効率化を進めたコンビニ各社は、危機対応の強化という課題を突きつけられたといえる。
◆店舗9割は復旧
震災から1か月以上過ぎた仙台市中心部のコンビニ店は、飲料や日用品のスペースは依然空きが目立つ。飲料の棚の半分以上は何も置かれていない。仙台市内では、夜の早い時間に閉店する店も多い。
コンビニ各社は、被災地に優先的に商品を供給する方針だ。だが、東北や北関東の弁当などの製造工場や、商品を集荷する物流センターが被災から立ち直りきれていないため、品薄が続いている。店内の在庫を極限まで減らしていたため、工場の被災による供給不足の影響をまともに受けた。燃料不足などで、地域ごとの物流センターからトラックで1日に数回、こまめに配送する体制も機能せず、品不足を深刻化させた。
要は新鮮さ、そしてロスを少しでも少なくして利益効率を上げるため、「必要な分だけ生産して送る」ってシステム(カンバン方式ってやつだね)でやっていたため、いざトラブルが起きた時の「遊び」「余裕」があまりなく、あたふたしちゃってる状態。軍関連なら「機動予備軍が無い」って感じ。うまくいっている時は良いけど、うまくいかないとあたふたしちゃう。
逆説的な考え方として、吉野家の移動販売車やローソンの移動店舗なんかも「機動予備軍」的な考え方だね。保険の概念にも似てるかな。平時には効率が悪いけど、いざという時には非常に役に立つ。一方、セブンイレブンが即席で作った移動販売車は、柔軟性の高さと冷蔵車をある程度余裕を持って所有していたあたり、賢い供え方なのかもしれないね。
今後は流通面でも「備え」「柔軟性」ってのを考えなきゃいけないだろうね、今までよりも。リスク管理の一環としてさ。
もちろん「いざという時」に役立たないどころか邪魔ばかりしているのは、その正体が分かったのならちゃんと覚えておいて、可及的速やかに判断をしなきゃいけないよなぁ、とも。幸いにもコンビニ周りではそういうのはないようだけど。
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