・売上をけん引してきたたばこが、東日本大震災の影響で納品されず、売上は急減している。来客数も減っている(東海=コンビニ)。
・夏の計画停電が実施されると、売上に大きく影響するため、不安要因である(南関東=その他専門店[ドラッグストア])。
・東日本大震災による計画停電等、相次いで影響が出てくることは確実で、その波及による悪材料があり過ぎる(南関東=出版・印刷・同関連産業)。
・4月に入って受注が東日本大震災前の状況に戻っている。計画停電も落ち着けば、売上は確保できそうである(金属製品製造業)。
・雇用調整助成金の申請が増加している状況と、福島第一原子力発電所の事故処理の遅れによる風評被害、夏場の電力不足等が心配されることから、現状と変わらない(職業安定所)。
今日付けで発表された、4月分の景気ウォッチャー。現状はほぼ横ばい、先行きは希望観測的な所から上昇という感じだけど。具体的なコメントの動きで気になったものがあったので2つほど覚書。
一つは、やはり東北地方の風評被害が非常に大きい事。小売だけでなく製造でも、原材料を送ってくれないとかいう話が出てる。4月でこれなんだから、次から次へと「あれは嘘だ」が露呈してきている今後はどうなるのか、少々不安。
そしてもう一つ。上にも挙げたように、たばこと電気が消費者のマインドに対し、思った以上の大きなリスクファクターになってる。たばこは元々コンビニの売上に少なからぬ影響を与えているってのは先に【タバコ値上げの動きが大きく反映...コンビニエンスストアの商品構成別売上推移をグラフ化してみる(2011年5月更新)】で触れた通り。今月後半発表予定の、4月のコンビニの売り上げ動向が気になるところ。レジ奥に並んだたばこケースで「品切れ」「一人1箱まで」とあると、やはり見た目でもマインドが下がる。
それ以上に気になったのが、電気周りでの懸念が非常に大きい事。計画停電や電力供給不足、節電周りの動きなどの直接影響だけじゃなく、電気が不安定になることで、消費者の心境が大きく減退し、内気モードになっている。【各電力会社間の電力の融通具合を図にしてみる】にもあるように、地震でただでさえ供給の帳尻合わせが大変な状況下で、原発周りによるどたばたが起きてるから、事態は非常にひっ迫している。企業の節電の動きは当然生産力なり販売力を下げるし、消費者のマインドはますます下がる。現代社会において電力は血流に等しい(油の一滴は血の一滴なんて言葉もあったけどね)。
6月に入るまでに抜本的な手を打たないと......そして打てる可能性が高いかといえば、どうだろうか?_
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