以上の歴史上の流れをモンティ・パイソンと愉快な一行が茶化したスケッチが「スペイン宗教裁判」である。
スペインでの徹底的な検閲と、自白・改宗をしなかった際の苛烈な拷問、さらには当時の理不尽な理由により行われていた異端審問・魔女審問そのものをネタにしている。
前半では、唐突に現れ「Nobody expects the Spanish Inquisition!!(まさかの時にスペイン宗教裁判)」と叫びつつ、恐怖やら脅迫やら狂信やらのいきあたりばったり的な武器をひけらかす審問官と、まるでスコティッシュ訛りにしか聞こえない枢機卿Aの罪状読み上げや準備不足で「(断頭)台(Rack)」と間違えて「(食器)台(Rack)」を取り出す枢機卿Bなど、適当極まる裁判の様子をギャグにした、「Spam」と並ぶモンティ・パイソンの中でも屈指の知名度を誇るスケッチである。
後半はさらに適当になり、「(老婆、)お前には3つの罪がある...異端思想、言動、行為、動作。いや4つだ」と後の四天王ネタを見越していたかのようなギャグをかましたり、その後も適当な数え間違いをしたり、顔に押し付けて窒息を誘発させるためのクッションでわき腹をつついたりとやりたい放題。
後のゲーム、特に英語を話すイギリス・アメリカ発のゲームでは他のパイソンネタと一緒によく引き合いに出される。日本でも、かつては一部のコアなゲーマーなどがギャグとして用いるのみだったが、ニコニコ動画やトロステでネタにされたりして色々有名になった。
【「氷室の天地Fate/school life」4巻 読了】でも紹介した磨伸映一郎先生の「氷室の天地Fate/school life」で何度か登場する「まさかの時のスペイン宗教裁判」という言い回し。元ネタは分からないけど使われ方から、「まったく脈絡も道理もなってない、非常に不条理で強引な物事やプロセス」的なものがネタなんだろうし、歴史上の宗教裁判がまさにそんな感じだったから、何となくってレベルで理解してたんだけど......先日からの原発周りの政府答弁やら状況の二転三転やら小学生でも使わないような事実の隠ぺいやら誤魔化しやら出鱈目さで、「これじゃまるで毎日『まさかの時のスペイン宗教裁判』状態だよな、毎日がまさかってなんやそれ」とため息付きながら、念のために検索してみたところ......
まぁ、こんな感じでちゃんとした元ネタがあって、それが何とモンティパイソンネタだったことを知ったわけだ。何だか得した気分になったので、覚え書きも兼ねて。
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