鷹の森ジブリ美術館(三鷹市下連雀1、TEL 0570-055777)で6月4日、企画展示「ねこバスから見た風景展」が始まる。
アニメーションで使われた背景画を大きく引き伸ばしLEDのバックライトを当て、立体の造形物と組み合わせて展示する同展。第1室は「となりのトトロ」。会場入口に大きな「ねこバス」が横たわり来場者を迎える。第2室は「耳をすませば」「千と千尋の神隠し」「ハウルの動く城」「もののけ姫」の印象的なシーンを再現。背景画と組み合わせた展示は、これまで行われてきた企画展では初めての試みとなる。
「ホームページに情報を掲載したとたん、『大人も乗れるねこバスを展示するのか』と聞かれたが、今回の企画展はねこバスから見た『風景』が主役」と中島館長。「宮崎駿監督は『背景美術は映画の品格を決める』と言うが、1カット5秒という短い時間に使われる背景画は、人の目で見た印象で描かれている。空は青だけじゃなくて、雲も白いだけじゃない。きっちりと描かれている部分もあれば荒っぽい部分もあったり...そんな発見を楽しんでほしい」とも。
「ねこバス」そのものではなく、「ねこバスから見た風景」をメインに据えるってのは、案外面白い視点といえる。バスそのものも魅力的だけど、そこから見える世界は普通のバスや飛行機とはまた違う、神秘的な情景に違いなく、それを創作者らの観点で描いたものは、素敵な世界を織りなしているに違いないからね。
将来的にはAR技術などと組合せ、ねこバス疑似体験なんてアトラクションもできるんだろうなあ、とか想ったりする。
(c)1988 二馬力・G (c)Nibariki (c)Museo d'Arte Ghibli
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