だから、「放射線による影響で鼻出血」ってのは、大量の放射線を一気に浴びた場合に起こることで、全身の出血症状が先に起こってきて、多くは重症感染も一緒に起こってくる、きわめて厳しい状態のことを指す。日本においては、原爆の被爆者と、1999年の東海村臨界事故の被害者2人だけだ。
次に下痢が起こる仕組み。放射線で腸の壁をかたちづくる粘膜がダメージを受けるから。粘膜細胞は数日で入れ替わっているんだけど、放射線で粘膜細胞の DNAが損傷を受けて次世代の細胞を作れなくなる。数日経つと旧世代の粘膜細胞がはがれ落ちて、腸の壁の中身がむき出しになる。
むき出しになった壁の構造物から、血管からしみでた水分や、壊れた血管からの出血が起こって下痢になる。血小板が減って出血は止まりにくいし、白血球がなくて細菌感染でさらに下痢が悪くなるので、これも非常に深刻な病状だ。「ちょっと心配だから病院へ」なんてレベルの人には縁のない話。
ここ数日、自称ジャーナリストな方々などをはじめ色々な方面で、原発周りで鼻血が出ただの腹を下しただのという匿名の書込みがあちこちで見受けられて、「本当にそんな症状が出ているのなら、うだうだ書き込んでいる暇があるならすぐに病院に駆け込まないとまずいのでは?」と半ば以上心配していたんだけど、どうみても「診察してもらってやっぱり云々」という話がない。まぁ実際にそんな話があったら一般報道でも取り上げられているし、公的機関からの見解発表もあるはず。
で、先日相次いでこんな話が上がっていたので、まとめて覚え書き(二つ目は当方で絡めた)。やっぱり巷で話が出ているように、鼻血やら腹下しが実際に放射線周りで起きているのなら、重大事件どころの話じゃない、と。で、その辺の話が回ってこないあたりを見ると、あおりか思いこみかやらせかデマか、そのあたりかなあ......と。
特にジャーナリストを自称する方々が、自分の名声を上げるがためにやっていると受け止められても仕方のないようなことをしているのを見ると、かえってまずいことになるような気がするなぁ、と思うのは自分だけかしらね。
やっぱり「ぼくは●×につおい」じゃダメなのよネ。専門家、しかも信頼のおける、その分野で知識と経験を重ねた人達に任せないと。
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