2011年3月11日。この日の衝撃は、実際に被災地に身を置いていた人たちばかりではなく、その被害映像を目にした世界中の人間たちの心をはげしく振るわせた。東北地方太平洋沖地震に端を発した東日本大震災は、その後の福島第一原子力発電所事故とともに、私たちにとって「日常」とは何なのかをもっと強く考えなければならないと示唆しているかのようだ。遅れの目立つ復興のなか、ドキュメンタリーコミックの第一人者である鈴木みそが、まずは自分の周りから取材を広げていきながら、今回の震災が浮き彫りにした現代日本の「日常」を描き出していく。(作者の鈴木みそは、今回の作品の原稿料はすべて、義捐金として寄付することを宣言している)
以前【鈴木みそ先生の「放射線の正しい測り方」】でも紹介した鈴木みそ先生が、COMICリュウで連載......したと思ったら本紙が一時休刊(ありがちな事実上の廃刊ではなく、本当の意味での休刊で、12月発売号から再出発)で今後の掲載はどうなるのだろうか、と気になった「僕と日本が震えた日」。表紙も飾っただけに、続きが気になる人も多いはずなんだけど、明日からはまず、COMICリュウで掲載された第一話が、29日からは新作第2我が公開されるとのこと。
先生の漫画を知っている人なら分かると思うけど、時節的な物事を分かりやすく書き連ねて行くことができる、かなり稀有で、もっと持ちあげられても良い技術を持つ漫画家先生なんだよね。だからこそ、この話にも期待せずにはいられない。
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