熱中症による国内死者数が前年比で4倍に増えている。夏場の停電を避けるために政府が節電を訴える中、家庭ではエアコンの使用が控えられている。
総務省消防庁によると、最新データでは6月1日-7月10日の期間に26人が熱中症で死亡。前年同期は6人だった。救急車で病院に搬送された人は3倍余り増の1万2973人で、うち48%は65歳以上だった
日本救急医学会で熱中症に関する委員会の委員長を務める昭和大学病院の三宅康史准教授は「特に日常生活においてエアコンを使わないと、その裏返しで熱中症患者が増える危険性がある」と指摘。高齢者は我慢しようとするため特に危ないと語った。
6月のデータは以前【6月の熱中症での病院搬送者、去年の3.07倍・6980人に】でまとめた通りだけど、7月はそれ以上になるのだろうな、という懸念が。今の時点で昨年比で4倍という値が出てしまっている。特に高齢者は単なる我慢以外に、電気代の点で、あるいは「お上に従わねば」という意識が強いこともあって、無理な節電のため、エアコンを切ってしまいかねない。先日の【「液晶テレビ消灯=1.7台分のエアコンをスイッチオン」周りの覚え書き】あたりを何度となく取り上げたのも、「娯楽は分かるが、命のリスクを積み上げてまで観るもんじゃない」という意味合いもあるのだよね。
繰り返しになるけど、インフラなどが正常にならなくなった時、一番最初に涙をするのは、「自分は弱者だ」とシュプレヒコールを挙げる人、ではなく、その声すら出せない人。そして出そうとしない人。地下鉄の通路の暗さで痛いほど理解できた当方としては、色々と考えさせられるところがある。
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