土壌と白米と玄米と

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【放射性セシウムに関する一般の方むけのQ&Aによる解説(社団法人日本土壌肥料学会)】



Q7. 土から作物への吸収を少なくする方法はありますか?
A7. 土のカリウムの濃度が高いほど、セシウム137が作物へ吸収される量が少なくなるという研究事例があります。
 土には、チッ素(N)、リン(P)、カリウム(K)の肥料が必要とされます。この3つの肥料のうち、カリウムを与えないと作物が吸収するセシウム137の量が増え、堆肥を畑に入れると減るという報告があります。このような研究から、作物への吸収をより少なくするような農耕地の肥培管理のできる可能性があります。

Q8. 作物ごとに吸収されるセシウム137の量を知る目安はありますか?
A8. セシウム137が土から作物へ吸収される量を示す数値を、「移行係数」といい、作物ごとに算出されています。
 たとえば、土から白米への移行係数(白米1 kg当たりの放射能濃度/土壌1 kg当たりの放射能濃度の比)は0.00021~0.012と報告されています。数値に幅があるのは、土の性質や畑に入れる肥料によって、作物が吸収するセシウムの量が変わるからです。

政府の原子力災害対策本部では、「移行の指標」として0.1という値を用いています。この値は、かなり安全側に配慮した指標であると考えられます。

Q9. 作物の食べられる部分と食べられない部分で、含まれるセシウム137の量は違いますか?
A9. 作物に吸収されたセシウム137が分布する割合は、部位によって異なります。そのため、作物のどの部位を食用にするかによって、食べ物とともに体内に取り込むセシウム137の量も違ってきます。
 作物に吸収されたセシウム137が、作物の部分ごとに、どれくらいあるかということは、セシウム137を実際に体の中に取り込む量を考える際、大切な情報です。お米を例にあげますと、イネが吸収するセシウム137全量の12~20%が玄米に移動します。また、ぬかで白米より高い濃度にあることが知られており、このためセシウム137の濃度は、白米のほうが玄米に比べ30~50%程度低いと報告されています。


昨日話に登った、お米と土壌とセシウム周りのお話。ここでもカリウムとセシウムが植物生長過程でごっちゃになってしまうとか、カリウムをあらかじめ多く与えておけば植物のセシウム吸収が少なくなるとか興味深い話がある(つまり逆もまたさらなり、ということ)。

それよりも今件で重要なのは、白米と玄米の関係。処理の仕方による違いはあるけど、覚えておいて損はないよなぁ......ということで覚え書き。


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このページは、不破雷蔵が2011年7月31日 08:11に書いた記事です。

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