原発事故の後、「関東地方で鼻血や下痢が多発している、これは原発事故による放射線の影響である」という説が、ネットで繰り返し流されました。
広島・長崎への原爆投下の後、放射線を浴びた方に鼻血や下痢などの症状が現れた、というのは事実ですが、今回の事故で周辺住民が(まして距離のある関東圏の住民が)、それに匹敵するほどの放射線被曝を受けた事実はありません。そのような指摘がなされると、今度は、「高線量の外部被曝によるものではなく、低線量の内部被曝の症状なのだ」という説が流れてきました。
「低線量内部被曝による急性症状」というものが、はたしてありうるのか。「今まで知られていることに基づく限り、ありそうにない」と考える人と、「ありうることではないか」と考える人との間に、深い溝ができているように思います。
震災・津波・原発事故による医療機関や行政の混乱のためと思われますが事故後しばらくのデータはありません。しかしその後のデータは過去2年より少ないくらいです。県外に避難された方の多さを反映しているのだろうと思いますが。
このように、福島県も関東ホットスポットと言われているところも東京も、「下痢が多発している」という事実はなかった、というしかありません。
まず、落ち着いて事実を確認することが大切なんだなとしみじみ思います。
タイトルが少々アレなんでナニなのは申し訳ないけど。セミが鳴かないだの、鼻血が異様に出るようになっただの、下痢の件だの。現状ではちゃんと蝉も鳴いているし、鼻血や下痢の件も騒いでいた人達はいつの間にかどこかに消えてしまったか、あるいは開き直って「事実は違ったかもしれないが、警告の為には正しい発言だったフンダラダー」という始末。
今件は昨年定点観測をしていた、「東京都におけるインフルエンザ報告数をグラフ化してみる」(最終は【東京都におけるインフルエンザ報告数をグラフ化してみる(2010年5月12日版)】)で使ったデータ取得元、東京都内医療機関の値で動向を確認しても、特異値は出ていないことは明らか。元記事には主要都道府県の取得元があるので、気になる人は自らチェックしてほしいナ。
まぁ、「正しく恐れる」ってのは大切なわけだ。それと共に、面白がったり、自分の権威付け、自分の不安解消のために、デマなどを意図的に流す人のことは、十分以上に注意する必要があるネ。
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