これは、「世界もおどろく日本の基準値2000ベクレル」という文書の一部だ。この毒々しい絵と数値を見た人は、
「えっ?日本の基準値ってこんなに高いの?」
「基準値以下でも危険なんだな」
と思ってしまうだろう。では、次の表を見て欲しい。
こちらを見ると、「あれっ?日本の基準値って厳しいほうなのでは?」
となる。そう、日本の基準値はEUと同じなのだ。ヨウ素では他の国より高いものがあるが、今問題になっているセシウムでは、外国よりもかなり厳しい。テレビでよく
「日本の基準値は厳しいほうです」
と言っている理由がこれだ。
「世界は全然驚いてなんかいない」
のだ(※1)。では、どうしてこういう食い違いが生じるのか。
それは、最初に挙げた図が、見た人を不安にさせるために書かれているからだ。
......ということでしばらく前に結構騒がれた「2000ベクレル」に関するお話。扇動的な切り口だったんで、「またか」という感はあったけど、この記事ではその「またか」を具体的な一次ソースや計算式と共に実証し、いわゆる一連の話がデマゴギーでしかなかったことが分かる。
というか、個人的にチェックを入れ、少々この類の話に憤りを覚えるのは、こういう数字をいじったりごまかしたりした上での、トリック的詐称行為で「自分らの"信者"を増やそうとする行為」だから。数字やグラフなど、そういう話全体の信頼性が損なわれる、あるいは悪用されているってのか、ちょっと、かなり、ね。
加えるとすれば、子供を「布教」のダシに使っているってことにも、かなりぷんすかモード。
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