ヨウ素とストロンチウムの除去材、独立行政法人物質・材料研究機構が開発

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【汚染水中のヨウ素とストロンチウムの除去材を開発 塩素やミネラルを含む汚染水からも選択除去可能で 原発処理利用へ期待(独立行政法人物質・材料研究機構)】



元素戦略材料センター資源循環設計グループのシェリフ エル サフティ(Sherif El-Safty)主幹研究員は、メゾポーラス材料と呼ばれる多孔質材料を用いて水溶液中に存在するごく微量のヨウ素(I)およびストロンチウム(Sr)を選択的に吸着・除去できる捕獲材を開発した。

1.独立行政法人物質・材料研究機構(理事長:潮田資勝)元素戦略材料センター(センター長:津﨑兼彰)資源循環設計グループ(グループリーダー:原田 幸明)のシェリフ エル サフティ(Sherif El-Safty)主幹研究員は、メゾポーラス材料と呼ばれる多孔質材料を用いて水溶液中に存在するごく微量のヨウ素(I)およびストロンチウム(Sr)を選択的に吸着・除去できる捕獲材を開発した。

2. この捕獲材はシリカ(酸化硅素)の多孔質体で、表面には高秩序で整列した微細な孔が無数に存在する。研究では、ナノサイズの微細な孔の内壁に、ヨウ素イオンもしくはストロンチウムイオンを選択的に捕獲する吸着性化合物をびっしりと敷きつめた。こうして作った捕獲材を汚染水に混ぜることで、ヨウ素イオンまたはストロンチウムイオンを選択的に捕獲することに成功した。捕獲材の孔の内壁に敷いた吸着性化合物は非常に高密度で並ぶため、ヨウ素では0.001ppm、ストロンチウムでは0.5ppmというごく微量でも捕獲が可能である。

3. イオンの捕獲のメカニズムは化学的作用であるため、原理的には化学的性質が同等のI131やSr90のような放射性同位元素も同じように吸着、捕獲することができる。このヨウ素用捕獲材1gあたり0.02gのヨウ素が吸着除去でき、これがすべてI131なら90T(テラ=1兆)ベクレルに相当する。またストロンチウム用捕獲材1gで吸着除去できるストロンチウム量は13mgであり、放射性Sr90ならば65G(ギガ=10億)ベクレルに相当する。

(以下略)


【粘土に溜まるセシウムの性質を活用した水洗浄での除染】の件もそうなんだけど、こういうやっかいな物質は、いかに目に見える形で凝縮させて、移動ができるものにしていくかというのが最大の問題。そういう観点では、これは注目したいよね、というのが【Newton7月号の「ヒマワリと放射性物質吸収」云々の記事を読んで】でも触れたけど、セシウムとカリウムの関係のように、カルシウムとの相性......というか組合せ事例があるようで。カルシウムを多用する≒移行係数の高い、繁殖力の大きな植物って何かあったかな?

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このページは、不破雷蔵が2011年9月15日 07:04に書いた記事です。

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