【気泡掘削による深層地盤改良工法「AWARD-Demi」を開発-セメントスラリー量48%と余剰汚泥量33%の削減を達成-】
↑ 気泡のベアリング効果/消泡による減量化
早稲田大学 赤木研究室、戸田建設株式会社、前田建設工業株式会社、ハザマ、太洋基礎工業株式会社、有限会社マグマは、気泡掘削による深層地盤改良工法「AWARD-Demi」(Deep-Mixing-method)を開発しました。
気泡の添加により加水量を低減できるため、余剰汚泥量の発生を従来工法に比べて約3分の2に抑制できるほか、添加したセメントスラリーが余剰汚泥の一部として流出しないので、セメントスラリー量を約半分に削減できる環境配慮型のコストパフォーマンスに優れた地盤改良工法です。
なお、赤木研究室が産学共同研究により気泡掘削技術を実用化するのは、原位置攪拌ソイルセメント壁工法の分野における「気泡を用いた等壁厚式ソイルセメント壁工法:AWARD-Trend」、「気泡を用いた柱列式ソイルセメント壁工法:AWARD-Ccw」に次ぐものです。
●工法概要
本工法は、まず気泡を吐出しながら地山の貫入掘削を行い、気泡のベアリング効果により地山(気泡混合土)の撹拌混合性を向上させます。攪拌翼の引抜き時には改良材(消泡材を添加したセメントスラリー)を添加・撹拌し、気泡を消泡しながら地山とセメントスラリーとの混練りを行うことで余剰汚泥量低減を図りながら、改良体を造成する地盤改良工法です。
●本工法の特長
本工法の開発は「気泡の消泡試験」、「大型模型実験」、そして「実機によるフィールド試験施工」と段階を踏み、フィールド試験では本工法が従来工法に比べて以下の特長を有することが実証されました。
* 1.セメントスラリー量を48%低減できる(セメント量の減少、水セメント比の減少)。
* 2.余剰汚泥量を33%低減できる。
* 3.センメント量及び余剰汚泥量の低減により、工事費を20%低減できる。
* 4.掘削機に作用する回転トルクが小さくなることにより高速な混合撹拌が可能となり、施工品質と施工速度が向上する。
* 5.周辺地盤に沈下や水平移動が生じにくい。
思いっきりざっくばらんにまとめると、そのままの水を使ってセメントスラリー(水とセメントの混合液。浸透させるとセメント部分で地盤を固めることができる)をぶち込むと、水がやたらと多くなるんで、水の代わりに細かい泡立て水を使うことで、その泡の部分だけ水が少なくて済むし、それに伴うさまざまなメリットが得られるってところかな。工法では最終段階で水が要らなくなるんだから、その部分が空気でもいいじゃん、でも空気だとセメントと混じらないから、水と空気の混合物にしようか、ってところ。
......ああ、泡だから「AWARD(アワード)」なんだ(笑)
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