『あさりよしとお短篇集 毒入り錠剤篇』
『あさりよしとお短篇集 毒入りカプセル篇』
↑ あさりよしとお短篇集 毒入り錠剤篇
結構前に神保町の古本屋を徘徊していた時に、ヤングアニマルだったかの山積みを見つけてふとぱらぱらと読んでいたところ、「重箱の隅」というあさりよしとお先生の見開き漫画に目が留まる。中身は確かいじめ問題に関する話で、自分の友達がいじめられているのを見てどうすべきか悩んでいたところ、親が「いじめられているところを見て黙っているのは、その行為を肯定したのと同じだ」的な主旨で叱るシーンがあって。落雷を受けたようなショックを感じて、同連載が載っている号を見つくろって購入。いつか単行本になるかと待ち望んでいたけど、それは果たせず、買ったアニマル自身も引っ越しの際に捨ててしまってかなり後悔していた次第。
で、先日その「重箱の隅」が載っているとの話を聞いて早速これらを購入。厳密には「錠剤編」のほうに収録されていたんだけど......どうもあちこち抜けているようで、自分が見た回はごっそりカットされていた。のっていたのは「ゲーム編」「アニメ編」「テレビ編」。
で、だ。
アマゾンのコメントにも賛否両論あるし、掲載本にも「1993-1995年の話だから云々」とはあるんだけど。アニメはともかく(知らないからね)ゲームについては(全部が全部じゃないけど)随分と的を射ているところも多いよなあ、と思った次第。
そして何より驚いたのは、テレビ周りの話。構造的にまったくと言ってよいほど、今と変わりない。テレビと視聴者と番組とスポンサー周りの話で、ちょっとでも興味関心のある人は、機会があれば一読をお勧めする。唖然とするから、恐らく。つまりテレビ業界の構造上の問題は、恐らくだけど、ここ数年間とか今世紀に入ってから云々じゃなくて、もっと前からあって、しかも自発的・自主的な状態改善はなされていなかった、と。
で、【民放連曰く「諸君らが愛してくれたテレビの広告費は減った。何故だ!?」】でも触れているけど、2005年前後以降からようやく周辺状況に変化が生じ始めたのは、やっぱり媒体上のライバルというか黒船たる「インターネット」や「携帯電話」の存在。昨今の状況の中で「テレビ業界も自ら変わろうと頑張っている」という話もあるけど、やっぱりケツに火がつかないとぬるま湯状態を楽しみ続けるんだなあ......という仮説に裏付けがまた一つづけられたということで。
(最終更新:2013/08/28)
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