[「坂の上の雲」とボードゲーム 日本海海戦から続く軍事技術としてのゲーム]
司馬遼太郎原作の「坂の上の雲」に登場する主人公の一人、秋山真之(日露戦争時の海軍参謀)は、米国から日本の海軍用にボードゲーム「兵棋演習(ミリタリーシミュレーション、ウオーゲーム)」を持ち帰った人物でもある。
1897年(明治30年)、秋山は米国駐在武官として軍事研究を行っている。その際、キューバを巡って米国とスペインの間で起きた米西戦争を目撃している。そこで、当時はまだ珍しかった艦船を模型で作り、大きな海図の上に配置することで、戦略の状況が簡単に把握できるようにする方法論を学んだ。それを実際の軍事演習用にゲーム化したのが「兵棋演習」で、秋山がアメリカ滞在中に最も感銘を受けたものだった。
ゲームは娯楽であると同時に、軍事技術として進化してきた側面を持つ。「ギレンの野望」(バンダイナムコゲームス)などに代表される戦略ゲームは、100年あまり前に軍事技術として採用されていたゲーム技術の影響を大きく受けている。
戦略級ゲームの代表作を『ギレンの野望』としてしまうのはどうよ、というツッコミはさておき。兵棋演習関連で懐かしい話を展開していたので覚え書き。突き詰めて言えば、将棋も囲碁も兵棋演習の一種だからねえ。昨今のパソコンやゲーム機、さらにはインターネット経由でのシミュレーション系ゲームも、この系統の枝の先にあるともいえる(後半部分でちらりと触れられているね)。【中東情勢を再現したシミュレーションゲーム、アメリカの大学院生らが開発し会社も設立】という話もあったし、日本でももっと注目されても良い分野なんだけどな......
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