↑ 9,000TEU型コンテナ船
川崎重工は、液化天然ガス(LNG)を燃料とする9,000TEU型コンテナ船の開発を完了し、ノルウェー船級協会(DNV)から設計基本承認(AiP:Approval in Principle)を取得しました。
LNG燃料は、地球温暖化の原因である二酸化炭素(CO2)や酸性雨等の原因である窒素酸化物(NOx)、硫黄酸化物(SOx)の排出量を大幅に削減する効果があり、大型貨物船の燃料として一般的に使用されている重油に代わる次世代クリーン燃料としての期待が高まっています。
今回開発したLNG燃料コンテナ船は、北米や欧州で適用されるNOxやSOxの排出規制区域(ECA)内だけでなく、太平洋往復横断も可能な航続距離を達成する容量を有したLNG燃料タンクを装備しています。また、バックアップ燃料として重油も利用できるように二元燃料推進システムを採用しています。
本船の主な特長は次のとおりです。
(1)居住区域と機関区域を分離配置したコンセプトを取り入れ、必要十分なコンテナ積載スペースを確保しています。また、居住区域下部にLNG燃料タンクと重油燃料タンクを配置することにより貨物スペースへの影響を最小限としています。
(2)LNG燃料タンクは容積効率の良い独立方形タンク(IMO Type-B)を新たに開発しました。当社独自技術である川崎パネルシステムをタンク防熱に採用し、LNG燃料の自然蒸発を最小限に抑えています。
(3)燃焼効率に優れ、二元燃料に対応した低速ディーゼル機関(電子制御式)を採用し、船型最適化などにより環境負荷を低減しています。
●9,000TEU型LNG燃料コンテナ船の主要目
・全長......約308m
・幅......48.4m
・喫水......14.5m
・LNG燃料タンク......約7,000立法メートル
ただでさえLNGの需要は年々高まるばかり(【天然ガスの生産・貿易動向をグラフ化してみる(エネルギー白書2010版)】)なのに加え、昨今の燃料事情を考えるとLNGの輸送力増大は重要案件に他ならない。それを見越した上での設計・開発と、さらには航行の燃料自身もLNGを使っているのがポイント。それに外観そのものもこれまでのコンテナ船とは一線を画しているよね。
さてどこが発注することになるのかな。
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