「電子書籍貸本屋」とそのシステムで名声を挙げる新鋭作家

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Amazon Prime メンバー向けにはじまった Kindle の電子書籍レンタルサービス Kindle Owners' Lending Library について、アマゾンが多数の利用があったと例によって実績自慢プレスリリースを発表しています。いわく、12月のあいだに発生した書籍レンタルは29万5000回。最大で月に1度・1冊までレンタルできますので、つまり29万5000人が利用したことになります。

人気を受けてアマゾンはレンタル対象書籍の拡充を進めており、すでに対象タイトルは7万5000冊以上になったとのこと。また、著作権者向けには50万ドルの予算を確保しており、12月ぶんについては1回のレンタルあたり1.7ドル(×29.5万回≒50万ドル)が著者に支払われます。このレンタル予算は 1月にはさらに増え、70万ドルとなる予定。

この好調な書籍レンタルを考える上で欠かせないのが、アマゾンが進めるインディー作家・出版社向けサービス Kindle Direct Publishing(KDP)です。KDP に参加した作家・出版社は、前述のレンタル料を得ることもできますし、もちろんアマゾン経由でに Kindle 本を売るということもできます。ただ、レンタルに参加することで、本の売上も伸ばせるというのがアマゾンの言い分。特に KDP のトップ作家10人は、12月だけで売上とレンタル料あわせて7万ドルを稼いだという話で、中には6200ドルを得た16歳の女子高校生(Rachel Yuさん)までいます。


プレミア会員向けの特典として無料電子書籍貸出サービスを付与し、会員を増やす一環とし、作家には自著の宣伝ができるとのアピールもする。作家はレンタル料を(アマゾンからすれば「会員」の広報宣伝料みたいなもの)受け取れるし、本を売ることもできる。結構ステキングなシステムの「Kindle Owners' Lending Library」。

何よりも、作家(希望者)が自著を公知して「物書き」で対価を得られる機会が一つ増えたってのが素晴らしい。正直「囲い込み」が巧みすぎるんで、少々にょもるところはあるけどね。

......いま思いついたんだけど。これってブログとかの「読み物的な記事」も対象に出来るとしたら、かなり面白い事になりそうだね。今ちょっと流行ってる「有料メルマガ」とはまた別の、ビジネスモデルが出来そう。

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このページは、不破雷蔵が2012年1月19日 07:37に書いた記事です。

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