IHIが手のひらサイズのガスタービン発電機、試作に成功

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【世界初の携行型超小型ガスタービン発電機を開発】



IHIは、このたび、世界初となるデスクトップサイズの超小型ガスタービン発電機のプロトタイプパッケージの自律発電実証に成功しました。IHIでは、2007年から、ジェットエンジンやターボチャージャーなどの事業を通じて培った超高速回転機械技術を活かし、携行型超小型ガスタービン発電機の研究開発に取り組んできました。

携行型超小型ガスタービン発電機は、軽量・高出力というガスタービン発電の特長を活かすことにより、レシプロエンジン・燃料電池等の発電機や二次電池を大きく凌ぐ重量当りのパワー密度(最大出力)・エネルギー密度(連続使用時間)が得られるポテンシャルを有しています。個人向け携行型発電機/充電器、ロボット用電源などに加えて、車両が入れない地域での活用など様々な用途が期待されます。

IHIでは、今回のプロトタイプ携行型超小型発電機の実証試験成功をもとに、今後、さらなる小型・軽量化および大出力化を図るとともに、各種アプリケーションの要求仕様を踏まえて、製品化に向けた技術開発に取り組んでいきます。

<携行型超小型ガスタービン発電機の構成>
発電機内蔵ガスタービン : フォイル軸受で支えられた完全オイルフリーの超小型ガスタービンに超高速発電機を組み込んだ構造であり、設計上は定格40万rpm、最大400Wの発電能力を有している。
パッケージ : 発電機内蔵ガスタービンに冷却ファン、消音器を取り付け、燃料タンク、電装系・補機類、エンジン起動用電池を組合せてパッケージとしたもの。軸受、超高速モータや加工技術などの先端技術において、最先端の技術を持つ国内外の企業や大学が多数開発に参加し、IHIがシステムにまとめ上げた。

<携行型超小型ガスタービン発電機の特徴>
1. 軽量・小型 : 発電機内蔵ガスタービンは直径約8cm×長さ12cmと手のひらサイズ。
2. 静粛・低振動 : 44dBA@7m側方(33万rpm、60W発電時)
3. 多様な燃料への対応性 : プロトタイプパッケージ試作品はプロパンガスを燃料としているが、灯油、軽油で発電機内蔵ガスタービン試験実証済であり、多様な燃料への対応性がある。
4. 低い排気温度 : 排気温度70℃
5. 操作性、起動性 : ボタン一つで起動・停止が可能。起動から定格発電開始までに約30秒、停止までに約2分半と、良好な操作性、起動性を実現。


規定通りのスペックを発揮し続ける&耐久力の面でも問題ないというのなら、小型の携帯用電源としてはもちろん、各種ロボット向けの電源としての活用も期待できそう。動力部分の小型化、放熱をどこまで抑えられるかってのは、実用ロボットなどの開発でもウィークポイントの一つではあるからねえ。

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このページは、不破雷蔵が2012年2月18日 08:02に書いた記事です。

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