今春、講談社や小学館などの出版社、有隣堂(横浜市)などの書店に提案する。買い切り取引は現在でもわずかにあるが、出版流通に強い影響力を持つ日販が導入すれば書籍の取引慣行を大きく変える可能性がある。 2016年3月期に書籍売上高の3割を新契約での取引に移すことを目指す。取引先がどの程度応じるかは不明だが、書店が加盟する日本書店商業組合連合会の大橋信夫会長は「利益さえ確保できれば歓迎」と話す。 新契約には数種類を用意する。 書籍は再販売価格維持制度の対象品で、書店には小売価格の決定権がない。売れ残れば自由に返品できるが、出版不況もあって業界全体の返品率は40%に達する。無駄な物流費や過剰な発行部数などの非効率性が出版業界全体の収益性を低下させている面もある。 日販の書籍返品率は現在35%。16年3月期に売り上げの3割を新契約へ切り替えれば、返品率は25%に下げられるとみている。
『出版取次最大手の日本出版販売(日販)は書籍の取引で、書店からの返品を制限する「買い切り制」を導入する方向で大手出版社や書店と協議に入る。現在、書店は売れ残った書籍を原則として自由に返品できるが、取り分(売上総利益)が少ないうえ、返品コストは出版社や取次の収益を圧迫している。市場の縮小が続き、電子書籍の普及も始まっていることから、商習慣を改め業界全体の生き残りにつなげる。
(1)書店の売上総利益率を35%と約10ポイント高くする代わりに、返品する場合の返金額は仕入れ代金より低くする
(2)一定期間がたてば書店が小売価格を決められる(時限再販)一方、その後は返品を認めない
(3)書店の取り分を厚くして、完全買い切りにする――など。
日経の記事ではダイジェスト版しか載っておらず、それが混乱を招く元になってるわけだけど、こちらでは詳しく解説されている。要は選択の幅を広げるのであって「買取だけ」ってわけじゃないってこと。似たような切り口は少し前からあちこちで行われていた気もするけどね。
一方、こういった話が出てくるのは、元記事でも指摘されているように、【今度はどうかな・日経が「日本で4月にキンドル発売・ドコモから回線」と伝える】の話が「前回よりは」確証度が高いことを裏付ける証的な動きかもな、と思ったりする。事実だとすれば、そろそろアマゾンやドコモからも公式ステートメントがあってしかるべき、だけどね......。
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