国際アルツハイマー病週間だったことを受けて、イスラエルのアルツハイマー病協会と広告代理店のGREYグループが行ったプロモーション。ある映画の公開ということで映画館を満員にした観客達。しかしいざ放映が始まると様子がおかしい。自分達が見ようとしていたものとは別の映画が映っている。
お客は騒ぎ始める。「なにこれ」「これじゃない」「この映画は何だろう」それでも映画は流され続ける。状況を把握できなくなり、場内のお客は混乱。思わず席を離れるお客も出てくる。そしてしばらく放映された後、スクリーンは切り替わり、メッセージが表示される。いわく
「お客様、映画館を間違ったのでは無いですよ。ここで間違いないのです。(これまでの放送は広告の一環です。)私達アルツハイマー病協会は、『状況把握の混乱と空間識失調』という、アルツハイマーの症状の一つを知ってほしかったのです。イスラエルでは10万人ものアルツハイマー症患者がいます」
とのメッセージ。要はアルツハイマー病の症状の一つ、状況の正しい認識が出来なくなる、ありえないと認識してしまう環境に置かれた時の心境を疑似体験してもらったわけだ。
相対的な切り口の変え方によって、心理的な病症を体感してもらうというこの方法、一部の人には不評を買ったようだが、大部分の人には驚きと納得、そしてアルツハイマー病への理解をもたらすきっかけとなったとのこと。
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