【放射能デマ拡散の背景「認知的不協和理論」の心理あると識者】
問題の所在は既存メディアだけではない。ネット上では相変わらずツイッターなどで放射能デマが凄まじいスピードで拡散している。 新潟青陵大学大学院臨床心理学研究科の碓井真史教授はその背景をこう分析する。
「人間は、自分が不安を感じているにもかかわらず現実には何も危険が起きていないという矛盾した状況を嫌う傾向があり、不安を裏付ける情報を集めようとする。これを社会心理学では『認知的不協和理論』といいます。"安全だ"と主張するよりも、"危険だ"と煽る情報が拡散しやすいのはこのためです。
気をつけなければならないのは、集団で討論していくうちに、当初の意見がどんどん過激になり、極端に走る『集団極性化』の状態に陥ってしまうこと。そして、最も過激な"危険だ"という声だけを信じるようになり、反対意見をいう者がいれば、"安全デマ""御用学者"と激しく非難して攻撃対象にし、セクト化してしまう。カルト宗教にも似た心理状態で、大変危険だ。こういう事態を助長したのは、メディアの責任ともいえる」
先の「沖縄の雪」でも見られたような現象。「放射脳」という表現、自分としては使いたくないので「情報自己陶酔・防衛症候群」とでも名付けようかと思ってたけど、すでに「認知的不協和理論」という言葉があったのか。「理論」そのものは病症とは言い難いので「認知的不協和症候群」とでも呼べばいいのかな。
危険情報の方が拡散しやすいのは、生物の生存本能にも関わってくるってのがあるんだけどね。安全情報は聞かなくても、少なくとも危険度は増さない。でも危険情報を聞き逃すと、危険度が増すかもしれない。ならば危険情報に注力したくなるのは、生存本能の現れとして考えてもおかしくないわけで。
あと、カルト宗教云々ってのは、まさにくだんの悪質新興宗教(前世紀末のアレが好例)と同じ。危機を煽ってって構図も合わせて考えると、一部の煽りの理由も見えてくる、というわけだ。
コメントする