発送電分離と自然エネルギーと

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出力不安定な自然エネルギーを連系線上に乗せるには、従来以上に莫大なコストがかかる。その上で、「自然エネルギーを買い取らせるために、発電と送電を切り離せ」ってのは、詐欺じゃないのかしら。海外で一部行われてる分離って、従来発電方式の電力での分離? それとも同様に自然エネがメイン?

「自然エネを大量導入したい」「でも発電だけじゃなくて送電にも金がムッチャかかる」「んなら『やったねたえちゃん、電気代が下がるよ』とでも煽って発送電分離を促して、金かかりそうな送電部分は他人に押し付けちゃえ。コスト換算上もごまかせる」って筋が見えてきた。

むしろ、出力不安定な自然エネルギーを連系線にのせるには、「公平に」それなりのコストを(相応分に)負担してもらうって方が筋が通ってるな......


先の【「再生エネを運ぶには無茶苦茶コストかかるよ」研究会試算】での話。「発電した電力を安定させて供給に回す」ってのにある程度コストがかかるし、それを他の電力と共に連系線に乗せるのにもそれなりのコストが必要だというのは認識していたけど、ここまで膨大なボリュームになるとは思わなかったというのが本音。「安定と継続」がいかに大切か、そしてそれがネックになっているのかが分かる。

で。発電時に安定させる技術が確立していない以上、自然エネルギーの発電......というか需要先までの供給には、この送電コストも上乗せさせる必要がある(少なくとも通常発電方式と比較する場合、「余計にかかる分」は追加計上しなきゃね)。発送電を分離して、膨大な追加計上コストを送電側に丸投げというのは、あまりにも都合がよすぎる気がしてならない。

逆にいえば、そこまでコストを算出した上で「なんとか割が合うな」というレベルに達するまで、自然エネルギーに対する「研究開発」(今の技術レベルでの普及では無く)投資を加速させる必要があるのではないかな。

というか、「発送電分離」「電力の需要側における選択」「自然エネルギーの利用」を全部ごちゃごちゃにして、都合の良い選択肢ばかりをチョイスしてセットを創り「これにしなければ」という、妙な主張がまかり通っている気がしてならない。つまみ食いは良くないよ?

ツイート上では「インフラ回りについて本来相応のコスト負担をしなきゃならないところをお茶を濁し、正義ぶって権利ばかりを主張している」「パターンがほとんど同じ」云々という話もしたけど、それは連装発想法的につながっただけなので、本件とは「あまり」関係がないから、覚え書きの覚え書き、と。

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このページは、不破雷蔵が2012年3月27日 12:35に書いた記事です。

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