ドイツ連邦議会(下院)は29日、太陽光発電の買い取り価格を大幅に引き下げることを柱とした「再生可能エネルギー法」改正案を賛成多数で可決した。4月1日以降に導入した太陽光発電は原則として、規模に応じて価格を約20~30%引き下げる。
ドイツは再生エネルギーの普及を図るため、送電事業者に買い取りを義務づける「固定価格買い取り制度」を採用。これにより太陽光発電は急速に拡大し、設備容量で世界一になった。しかし価格は電気料金に上乗せされるため消費者負担が膨らんでおり、太陽光発電の普及を事実上抑制する形に方針転換する。
法案によると、屋根に取り付けるなどの小規模発電は1キロワット時当たり24.43セント(約27円)から19.50セントに引き下げられる。規模が大きくなると引き下げ幅も拡大、5月以降も毎月価格を下げる。
太陽光発電は風力などに比べ、価格が高く設定されている。価格の見直しは定期的に行われていたが、これまでは10%前後の下げ幅だった。
【買い取り制度の廃止で大きく揺らぐ、ドイツの太陽光発電市場の現状】【買い取り制度の廃止で大きく揺らぐ、ドイツの太陽光発電市場の現状】などで伝えた、ドイツの太陽光発電周りの政策方針の転換の件。法案が可決されて確実なものとなった。
結局助成金や高値買い取り制度ってのは、技術の進歩でコストパフォーマンスが向上するまでの支援、先行投資のようなもの。でもその期待に応えられるような技術の進歩スピードが出せず、結局お財布事情が立ち行かなくなったという次第。
見方を変えてみる。この「固定価格買い取り制度」で費やされた国費を、半分でもいいから太陽光発電の効率向上のための研究開発に充てていたら、どこまで進歩したかな。ゲームでは無いのだからお金を投入すれば必ず成果が得られるわけではないけれど、研究費があれば人も雇えるし研究ラインも増やせる。やり方によっては競争させて、良い成績を挙げたところには報奨金などの特権を与えても良い。
普及させるという点では一つの正解だったかもしれないけどね。ちょっと早すぎ・規模が大き過ぎたのかもしれない。国際情勢、周辺諸国の動向の変化という変動パラメーターも一因なんだけどさ。
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