箱入りドロップス (1) 読了

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↑ 箱入りドロップス (1)
↑ 箱入りドロップス (1)


まんがタイムきららで連載中の「箱入りドロップス」の第一巻。元々3回のみの短期集中ゲスト掲載だったものが、そのまま連載になだれ込んだもの(ゲスト掲載分もあわせて単行本に収録)。家からほとんど出ることなく、言葉通り「箱入り娘」状態の西森雫が一人暮らしをはじめたものの、見るもの触るもの経験するものすべてが珍しいものばかり。純な心を持つ、やもすれば足を踏み外してしまうかもしれない彼女に、普通の「日常」を手ほどきするのは、同じタイミングで一人暮らしを始めることになったお隣さんの春日井陽一。

中途半端な(主に本で読んだ)社会の一般知識で陽一を翻弄しつつ、無垢な子供のように毎日の発見を楽しむ雫に、陽一も周囲の友達も甘い「日常」を共有するようになる。「箱入り娘」と純朴な女の子の愛らしさを「甘いドロップ」にかけ、タイトルに仕立てたのもポイントで、作品のイメージがよく表れている。単行本の表紙もドロップのパッケージを模していて、「なるほど」感。

登場人物は比較的少なめだけど、それぞれが個性的で活き活きとしていて、作品の中で思う存分走りまわっているようすがつかみ取れてくる。各コマの人物の配置も自然なもので、読んでいて心地よさを覚えてくる。特に主人公の雫の初々しい反応には、思わず「くすり」と読みながらほほ笑んでしまう事、請け合い。

この連載の前に見かけた短期集中連載では、ノリ・センスはほぼ同じだったものの、線が少々荒いところが感じられたんだけど、今作品ではその難儀な点もクリア。じっくりと追いかけて行きたい作品の一つになりました。


(最終更新:2013/08/26)

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このページは、不破雷蔵が2012年4月28日 18:10に書いた記事です。

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