田中氏自身、会社員時代に「この仕事でいいのか?」と考え、異業種交流会に参加するなどしたものの、いまひとつピンとこなかったと話す。そんななか、知り合いのベンチャー企業社長の会社を訪れ、その仕事の現場を見せてもらった体験が新鮮だったことから、この体験を他の人にも味わってもらいたいと開業を思い立った。ちなみにこのベンチャー企業での体験は、「スタートアップ企業で働く旅」として現在商品化されている。
↑ 仕事旅行社
「お花屋さんになりたい」――そんな子どものころの夢を1日だけかなえてくれる、その名も「仕事旅行」が話題となっている。仕事旅行社(東京都品川区)代表の田中翼氏によると、現在体験できるのは生花店をはじめ、バリスタ、イルカトレーナー、農家、漁師、バイヤーなどバラエティーに富んだ46種類。開業から約1年たった現在、相次いでメディアで紹介されたことから、申し込みや問い合わせが増えており、じわじわと注目を集めているという。仕事体験の旅は、いわゆる"日帰り旅行"を目安にほとんどが1日で完結し、費用の多くは1万~2万円くらい。
ある私鉄では数百万円を支払ってもらい(会社が払うのではなく、採用者から受け取る)、運転手として採用するという、常識とはまったく逆の応募をかけたところ、問合せが殺到したという話もある。特定の職種には言葉通り「お金を払ってでも」という程の魅力があるんだろうな。
今件は就業ではなく、あくまでも一日体験。アルバイトやインターンシップとは似て非なるもの。元記事の話によれば、単にお気軽な気持ちでの体験というよりは、自分の今の仕事を見つめ直したり、今後の自分の進路先の判断材料にしたりと、かなり有益な使われ方もしているとのこと。
発想の転換というか、需要を上手く捕えたというか。興味深いお話ではある。
コメントする