MITからマウスで低線量被曝のマウスを用いた研究論文が出され、それと同時に広報からプレスリリースが発表されました。
自然放射線の400倍というレベルでマウスを5週間飼ってもDNAへの過剰な影響は認められなかったというもの。(追記:外部被曝の実験です)
同様の研究はこれまでにもありますが、今回の研究は DNAへの影響の最新の評価法を多数用いているという科学的なものに加え、
・米国の環境放射能の8倍という退避基準は疑問
・福島での避難は犠牲に見合ったものか疑念を表明
と、明確にしていることで反響を呼んでいます。
反響のツイートと解説のツイートをまとめました。
なお、『DNAへの悪影響なし・ダメージ無し』と書いておられる方もいますが、自然放射線レベルでもDNAへの修飾や切断は起こっていますので、『過剰な影響無し・リスクの増加なし』と読みかえてください。
また、発がん率や寿命についての影響を直接評価した試験ではないことにもご注意ください。
【MIT news】
A new look at prolonged radiation exposure
MIT study suggests that at low dose-rate, radiation poses little risk to DNA.
【http://web.mit.edu/newsoffice/2012/prolonged-radiation-exposure-0515.html】
【原著】
Integrated Molecular Analysis Indicates Undetectable DNA Damage in Mice after Continuous Irradiation at ~400-fold Natural Background Radiation
【http://shinobuyamaneko.blog81.fc2.com/blog-entry-87.html】
後に別所、別の機会で使う事もあるだろうし、覚え書きも兼ねて。「中長期ならあるいは云々」とあるけど、それについても実例は世界中を探せば「自然放射線」周りで山ほどあるんだけどね......。文中の
「DNA損傷が見られない」は「損傷の有意な増加が見られない」の意。「自然状態でも細胞あたり1日少なくとも1万のDNA損傷が起きており、その殆どは修復される。この線量での損傷の増加は1日10個くらい(dozen)と推定され、それは全て修復されると思われる」
という説明は、今件回りの実態を理解する上で、非常に重要な解説&概念。要は「人間の体ってスゴイ」ってこと。お風呂のフタが開いていても、それ以上の分量の水を足していけば、いつかはお風呂は満タンになるってことだね。
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