[理研ビタミン、わかめで脂肪燃焼が促進されコレステロールの生合成が抑制など研究成果を発表]
↑ 該当研究の概念図
理研ビタミン株式会社は、東京大学大学院農学生命科学研究科機能性食品ゲノミクス(阿部啓子特任教授)との共同研究で、わかめを摂取することにより体内のエネルギー代謝に関わる遺伝子の発現が変動し、脂肪の燃焼が促進され、反対にコレステロールの生合成が抑制されることを確認しました。本研究成果は、5月18日より開催される日本栄養食糧学会(仙台)にて発表いたします。
わが国におけるわかめの食用の歴史は非常に古く、万葉集にも登場するなど昔から身近な海藻として食されてきました。疫学研究により、海藻を良く食べる地域には長寿村が存在することも報告されており(参考文献1)、健康食材としてわかめは知られています。ヒトに対して行ったこれまでの試験から、わかめを食べることにより高血圧や高コレステロール血症が改善されるなど、メタボリックシンドローム(*1)に対して有効な働きをもつことが認められていました(図1、参考文献2)。本研究は、わかめを食べた生体の遺伝子発現をDNAマイクロアレイ(*2)を用いて解析し、わかめのメタボリックシンドロームに対する効果のメカニズムを網羅的に探った初めての知見です。
わかめの生体に与える効果を検討するため、本研究ではわかめを摂食したラットを用いてDNAマイクロアレイ解析により網羅的な遺伝子発現解析を行いました。わかめを0.1%もしくは1%混合した餌で28日間にわたりラットを飼育した結果、血中のコレステロールの低下が認められました。また、肝臓における脂肪酸酸化関連遺伝子群(Cpt1aなど)の発現増加や、コレステロール生合成関連遺伝子群(Hmgcrなど)の発現低下、脂肪酸生合成関連遺伝子群(Acacaなど)の発現低下が認められました。すなわち、わかめの摂取により脂肪酸酸化の活性化=脂肪の燃焼が亢進し、コレステロールの生体における合成が抑制されることが示唆されました(図2)。
ラットによる実験結果だけど、対象となる「脂肪酸酸化の活性化」が確認できたってのは、小さからぬ成果ではないかな。経験則などでは良く知られた話だけど。もちろん「過ぎたるは及ばざるがごとし」で、わかめばかり食べていればよいという話でも無いので。
ただ、グラフを見る限りでは「劇的な」変化ってほどでもないんだよね。あくまでも効果が見られる、かな、という程度。似たような効力を持つといわれている他の食材との関連性とか複合性などを考察してくれると、もっと面白いのだけどね。
コメントする