【社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法等の一部を改正する等の法律案(財務省)】
政府が国会に提出している社会保障・税一体改革関連法案について協議してきた民主党、自民党、公明党の3党実務者は15日夜、別添の通り合意に達した。
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社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法等の一部を改正する等の法律案
(消費税率の引上げに当たっての措置)(附則第18条)
第十八条
消費税率の引上げに当たっては、経済状況を好転させることを条件として実施するため、物価が持続的に下落する状況からの脱却及び経済の活性化に向けて、平成二十三年度から平成三十二年度までの平均において名目の経済成長率で三パーセント程度かつ実質の経済成長率で二パーセント程度を目指した望ましい経済成長の在り方に早期に近づけるための総合的な施策の実施その他の必要な措置を講ずる。
2 税制の抜本的な改革の実施等により、財政による機動的対応が可能となる中で、我が国経済の需要と供給の状況、消費税率の引上げによる経済への影響等を踏まえ、成長戦略並びに事前防災及び減災等に資する分野に資金を重点的に配分することなど、我が国経済の成長等に向けた施策を検討する
3 この法律の公布後、消費税率の引上げに当たっての経済状況の判断を行うとともに、経済財政状況の激変にも柔軟に対応する観点から、第二条及び第三条に規定する消費税率の引上げに係る改正規定のそれぞれの施行前に、経済状況の好転について、名目及び実質の経済成長率、物価動向等、種々の経済指標を確認し、前二項の措置を踏まえつつ、経済状況等を総合的に勘案した上で、その施行の停止を含め所要の措置を講ずる。
......ということで、「消費税率を2014年4月に8%、15年10月に10%へ2段階で引き上げる」と伝えられている社会保障と税の一体改革に関連する8法案は、先ほど衆議院本会議で可決。このあと参議院に送られる次第。
で、上にピックアップした各文(法的拘束力は無い各党の合意文章だけでなく、法案附則として公式な文面含む)でも、期限が迫った時に治世を担う政権党の判断により、施行の停止も含めた各判断が可能と明記されている。ほとんどの報道では「消費税率を2014年4月に8%、15年10月に10%へ2段階で引き上げる」としているけど、具体的な数字目標を挙げた上で景気動向を勘案、その上で法案の施行停止も含め検討を行うとある。要は「数字目標分まで景気回復させるめどが立たないと、消費税のアップはダメ」ということ。
これって結局のところ、【消費税と2009年夏の覚書】で挙げた、麻生内閣の時のとほぼ同じ(違うとすれば、麻生内閣は「直近の3年以内」の景気回復が明記されていたのに対し、今般の場合は「平成23年度から平成32年度までの平均において名目の経済成長率で3パーセント程度かつ実質の経済成長率で2パーセント程度」の経済成長のめどが立たないと、という制約のみであること)。
公明新聞で指摘されているように、事前準備を考えると、「2013年秋には実施するかどうかを閣議決定をする必要」ってのはあながち的外れでも無く、今から1年強でとなると......どうなるんだろうね。
もっとも。麻生内閣の時の消費税周りだって、「4年間消費税にはノータッチでノープロブレム」と主張した人たちが政権を取って、うやむやにしたもんだしねえ。で、結局同じことの繰り返し。
むしろ新聞やテレビが「14年に絶対ッ」という報道をしまくって消費マインドが停滞し、それによる景気後退が起きるリスクのほうが大きい。すでに直近の景気ウォッチャー調査でもその兆しが出てる。次のウォッチャーでのLSでのネタでは、「消費税」をキーワードに、そのあたりもグラフ化しようかしらね。
※追記:
【消費税法】
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