【NAS電池の火災事故の原因、安全強化対策と操業再開について】
↑ 火災の原因
日本ガイシ株式会社(本社:愛知県名古屋市、社長:加藤太郎)が製造した電力貯蔵用NAS電池(ナトリウム硫黄)において昨年9月21日に発生した火災事故の原因と安全強化対策および工場の操業再開についてお知らせいたします。
当社は火災事故発生以降、原因究明と対策に取り組んでまいりました。このたび、火災事故の原因および延焼防止対策の内容について、危険物保安技術協会殿を事務局とする第三者委員会の検証により妥当であると評価されました。
その検証結果を踏まえ、消防庁殿と協議を行い、監視体制なども含めた安全強化対策を自主的に実施することを決定いたしました。
これらの安全強化対策を実施することにより、従来のNAS電池よりさらに多重化した安全機能が備わるため、より安心して電池を使用していただくことができます。
当社はこれまで、ほぼ全てのお客さまに運転停止や運転制限をお願いしておりました。設置箇所を管轄する消防当局殿のご指導を仰ぎながら、設置状況に応じた安全強化対策を早期に実施し、運転を再開できるように努めてまいります。
火災の原因と安全強化対策の主な内容は以下の通りです。
1.火災の原因 (図1参照)
NAS電池システムを構成するモジュール電池40台のうち1台(単電池384本収納)に製造不良の単電池が1本あり、その単電池が破壊して高温の溶融物が流出した。
溶融物がモジュール電池内のブロック間にある砂層を越えて流出し、隣接するブロックにある単電池との間で短絡(ショート)が発生した。
短絡した単電池間にヒューズが設置されていなかったため、短絡電流が継続的に流れて発熱したことで多数の単電池が破壊して火災が発生し、当該モジュール電池全体に延焼拡大した。
当該モジュール電池1台の燃焼により、火炎と高温の溶融物が上段と下段に設置されていた他のモジュール電池内の単電池容器を溶解させ、さらに延焼拡大した。
蓄電システムの一形態として注目を集めていたNAS電池について、日本ガイシの製品で火災が発生し、その原因がつきとめられてなかったということで各方面で問題視されていた件。先日ようやく原因の究明と具体的な対応策が発表された。
「よかったね」という意見や「元々の構造として危険な構成物質使っているんだから云々」という意見の双方を目にし、オールマイティなものってのはなかなか出来ないものだよなあ、とため息。先日紹介した「水電池」も結局は蓄電ではなく発電池で、しかも単純な発電システムとしてのコスパ・性能としては積極利用は難しいレベルだからねえ(防災用としての役割ならOK)。
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