↑ 除染モデル実証事業における面的除染の効果
環境省と日本原子力研究開発機構は6月30日までに、福島第1原発事故の避難対象区域で実施した除染モデル事業の最終報告をまとめた。空間放射線量は最大85%下がったが、除染前の線量が年40ミリシーベルト超の場所では、同20ミリシーベルト未満にできなかった。
事業は原発周辺の11市町村計約210ヘクタールが対象で昨年11月から今年4月まで実施。富岡町の中学校では、地上1メートルの高さの空間線量が毎時5.4マイクロシーベルトから同0.8マイクロシーベルトへ約85%下がった。
積雪などの影響で作業が遅れ、今年3月の前回報告に盛り込めなかった川内村貝ノ坂地区や大熊町夫沢地区などの結果も新たに示した。このうち夫沢地区の農地や宅地の線量は70%以上低減できたが、森林などの線量は依然として高く、全体としては年50ミリシーベルト未満に下げられなかった。
単純に「2倍かければ時間的・効率的成果も2倍になる」というわけではないけれど、もっと多くのリソースが割かれていれば、もっと広範囲で、効率の良い、検証プロセスも前倒しにした上での結果が出ただろうになあ......と(昨今ではこういう分野には配分リソースが減らされる傾向もあるので)口惜しさを含みつつ。
現地の状況回復・改善に全力を尽くすための注力はもちろんだけど、技術や経験の蓄積という観点でも、こういった研究は非常に大切だと考えているのは当方だけかな。今後必ず役に立つはず。
今は色々と肩身の狭い立場なのだろうけど、手の届く範囲で頑張ってほしいものだ。
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