[ユーロ圏失業率、17%に悪化も 14年ILO予測]
【EuroZone job crisis: trends and policy responses】
国際労働機関(ILO)は11日、欧州債務危機が一段と悪化し、景気後退が続いた場合、2012年4月時点で11.0%のユーロ圏の失業率が14年に17.3%まで上昇する可能性があるとする報告書を発表した。特にギリシャやスペイン、ポルトガル、イタリアなどの重債務国の失業率は16.3%から25.2%に急上昇しかねないとして、各国政府に雇用対策の強化を求めた。
題名は「ユーロ圏の雇用危機」で、ILOがこの問題で報告書を出すのは初めて。危機が悪化した場合、ドイツやオランダなど財政健全国の失業率も7.4%から12.2%まで上昇する。「財政健全国も雇用への深刻な悪影響を免れない」という。先進国の直近の失業率をみると日本が4.4%(5月)、米国は8.2%(6月)で欧州の深刻さが浮き彫りになる。
【若年層の失業率、スペイン・ギリシャ共に52.1%...ヨーロッパの失業率をグラフ化してみる(2012年5月分)】など、月次レポートの配信場所が分かったので逐次データを追いかけている、EUの失業率問題。引用元では後半部分でちらりと触れているけど、今件問題は他の先進諸国同様に、主に若年層の失業率の高さが主要因。既存の労働者、特に中高齢層を保護するような形で「労働市場の改革(雇用の保護)」などを行い、しかも金融経済面で緊縮政策をとれば、必然的に市場そのものは委縮・縮小し、しわ寄せは若年層に来る。
労使間ミスマッチの解消、労働訓練プログラムの促進なども手の一つだけど、結局のところ経済の拡大と好景気化しか根本的な打開策は無いのよね。黙っていても高齢化は進み、技術開発が進んで「同程度の生産」に対する必要労働人口は減るんだから。
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