「電子ペーパーは液晶画面よりも読みやすく、目が疲れにくい」との論文

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↑ 目の疲れ・体の疲れについての比較


近年,電子ペーパーと呼ばれる技術分野の研究開発が急激に活発化してきて,2004年に電子ペーパーの表示技術を使用した携帯型電子書籍専用端末が発売された。本論文では,電子ペーパー製品一種類(ソニーの電子書籍端末リーダLIBRIe)と,代表的なパソコンディスプレイ二種類(CRTとLCD),及び紙媒体を用い,「統制条件」(表示環境・条件をできるだけ統一した)下,及び「自由条件」(読み手がより自然で,より快適な読書環境を自由に選択・調整して設定できる)下で,30分間の読書における各媒体の読みやすさについて,主観的な評価及び客観的な評価を実施した。

その結果,読みやすさについて,全ての4種類の媒体は全体的に自由条件下での読書は統制条件下での読書より読みやすくなった。紙媒体とLIBRIe はその改善が比較的小さかったことから,紙媒体とLIBRIe は呈示条件からの影響を受けにくいことが分かった。そして,自由条件下でも統制条件下でも紙媒体はほぼすべての評価の項目(総合的な快適度,疲労度,読み速度,文章理解テストの正答率)において,その優位性が検証された。現段階の電子ペーパー製品(LIBRIe)は,既存のディスプレイ(CRT とLCD)より読みやすく,ある程度は紙媒体に近づいているが,まだ快適性や操作性の面において課題を残す結果となっていた。


LCDとは液晶ディスプレイとのこと。先日の【パソコンやモバイル端末の「青色光」と健康と】では青色光という観点から「液晶画面は目が疲れるっぽい」という話があったけど、今論文ではもう少し突っ込んだ形で、実証実験の結果も含めて検証が行われている。いわく、電子ペーパーはCRTや液晶と比べると紙媒体に近い、体や目の疲れ具合の観点では非常に優れている、との話。

とはいえ今論文は今から6年前のもので、現在では液晶も電子ペーパーも当時と比べて色々と技術的な進歩が行われているはず。もう少しポジティブな値が出ていると思われる......のだけど、該当するような研究・論文が見つからない。時間があればじっくりと探してみるかな。

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この記事について

このページは、不破雷蔵が2012年7月 8日 06:58に書いた記事です。

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