【モバイルゲーム開発を目指すデザイナーさんへ 基本だけど大切なコト】
Flashユーザの中には、私もそうですが、デザイナーやアニメーター出身の方が多いのではないでしょうか。そうした方々からみると、アプリ開発にはプログラミングの専門的な知識が必要だろうと思われているかもしれませんが、皆さんが使っているFlash Professional CS5.5が1つあれば、iOS/Android向けのアプリ制作を容易に行うことができます。
ActionScript 3.0をある程度習得する必要はあるものの、それさえクリアすれば、これまで培ってきた技術と知識を活かして、アプリ開発へと移行できるのです。単純なスタンドアロン型ゲームなどであれば、これまでWeb向けに制作してきたSWFファイルの書き出しと何ら変わるところはありません。デザイナーがモバイルアプリ開発に参入できる、これこそがFlashならではのアドバンテージだと思います。
いざモバイルアプリを開発しようとなると、技術面のその先にあるユーザビリティを考えなければなりません。Webコンテンツでもユーザビリティは大切ですが、特にモバイルアプリになるとこれまでとは違う視点が必要となり、インターフェイスデザインの点でいくつかの問題に直面することになります。
そこで本記事ではデザイナーの視点から、スマートフォン向けゲームのインターフェイスをデザインする際の留意点について、拙作パズルゲーム「ワクチンケース」(ほぼFlashのみで制作)を例にいくつか挙げてみます。
●ボタンのデザイン
多くの人は、PCのマウスカーソル操作とタッチパネルインターフェイスは"ほぼ同じ"だと思い込んでいます。確かにプログラム上だと、タッチ操作はこれまでのMouseEventで取得できますし、オブジェクトをドラッグしたり放り投げるなどといった操作も、マウスカーソルを指に置き換えて考えればごく自然に想像できるでしょう。
ところが、実際にモバイルアプリに触れてみると、この「自分の指」が実に厄介で邪魔なものに感じられるのです。
目的のオブジェクトが指に隠れて見えなくなってしまう、または手の甲が小さな画面の大半を隠してしまうといった問題は、瞬時に画面全体を把握しなければならないゲームでは致命的な欠陥になりかねません。
一般携帯電話(フィーチャーフォン)が主流の時代にもよく言われていたことだけど、「パソコンと同じ感覚でソフトを開発すると、非常に頭と出来の悪いものが仕上が」ってしまう。ソフトの挙動自身は変わらなくても、操作性がごっつ悪くなるんだな、これが(モバイル系ソフトの場合は他にも「機種属性」「回線切断の処理」などいろいろあるんだけどね)。
特にスマートフォンは引用元で強く指摘しているように、指で操作する面積が非常に大きく、その指で画面が隠れて見えなくなってしまう場合が多々ある。パソコンの場合はそういうのは無いからねえ。「同じだな」と思っているとえらい目に合う。ウェブサイトの画面構成や入力、視線の動きの検証などの経験があれば、すぐに分かるものなんだけど......。
「ソフトの本質とは関係のないところだから、後回しでいいや」と思う人もいるかもしれない。でもそれって「料理がおいしいのだから食卓は掃除しなくてもいいや、食器も洗わなくていいや」ってのと同じ。逆に、インターフェイスにしっかりとリソースを割いて良いものを創れば、ソフトの本質もちゃんと評価してもらえると考えたほうが、作り手もユーザーもハッピーになれるよね。
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