対象となるイラク人難民は、携帯電話のショートメッセージ(SMS)で、「仮想食料引換券」を使用できるようにする暗証コードを受信。政府指定の店で、米、小麦、レンズ豆、ヒヨコ豆、食用油、魚の缶詰、チーズ、卵などと交換することができる。 食料引換券は2ヶ月ごとに、一人あたり月22ドル分が支給され、残高もショートメッセージで携帯電話に送信される。 「この試みは、食糧そのものは豊富にあり市場で売られているのに、買うことができない、都市部の飢餓層の人々を支援することを目的としています。WFPは常に食糧支援の革新的な方法を模索しているのです」とWFPのデーリー・ベルガスミ中近東・中央アジア・東ヨーロッパ地域局長は述べた。 この仕組みにより、支援対象者は卵やチーズといったWFPが通常配給しない食糧も入手することができ、より多くの品目を摂取できるようになる。ムハナド・ハディWFPシリア事務所長は、「この引換券を利用すれば、人々は食糧配給の長い列に並ぶ必要もなくなります。さらに人々は、自らの嗜好に合った食品を自ら選ぶこともできるようになるのです」と食料引換券の利便性を強調している。 携帯電話のSIMカードはMTN社が提供した。試験期間は4ヶ月だが、結果次第で延長もありうる。このプロジェクトの支援対象者は、食料引換券の仕組みや使い方について講習を受けた。
↑ シリアで試験的に携帯電話を活用した食料引換券プロジェクト-イラク人難民対象
WFPは、シリアのイラク人難民1,000世帯を対象に、携帯電話を活用した食料引換券プロジェクトを試験的に実施する。携帯電話を食糧支援に活用する試みは世界でも初めて。
シリアの携帯電話普及率がごっつ高いでぇ的なデータを精査していた時に見つけたリリース。電子メールでは無くてSMSを使うことで、ネット機能を持たない一般携帯電話でもこのサービスを利用できる。直接物理的に配給するのではなく、流動性の低い疑似通貨みたいなものを呈するってのは面白い。いわゆる生活保護やフードスタンプ(今はSNAPか)周りの話に絡めても、色々なヒントになりそう。
ただしこのサービス、2009年のリリースの後、続報が無い。ペーパーのチケットを手渡す仕組みは続行しているようだけど。携帯電話ではやはり何か問題があったのかもしれない。
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