食品成分表の野菜ジュースの項目をみるとビタミンやミネラルなどを含有し、β-カロテンやポリフェノールなどの成分も含まれ野菜と同じ様に野菜ジュースでもこのような栄養の摂取が期待できそうです。しかし、野菜ジュースは加工過程で粉砕されるため、食物繊維は、水に溶けにくいタイプと、水に溶けるタイプに分かれます。
水に溶けにくいタイプを「不溶性食物繊維」といい、水に溶けるタイプを「水溶性食物繊維」といいます。
不溶性食物繊維の働きは、繊維自体が水に溶けない分、水を多く吸収して数倍に膨れ、これが腸を刺激してぜん動運動を活発にさせることによって、腸内の老廃物を排せつ、便秘などを予防します。しかし、野菜ジュースにしたときは、不溶性食物繊維が少なくなったり、成分の一部が排除されていたり、成分割合が変化するなどにより、野菜を摂取した時と同等の効果が得られるわけではなさそうです。
食物繊維の多い野菜を、しっかり噛んで食べることにより、ホルモンが分泌され、過剰な食欲を抑制したり、代謝が活発になり、消費エネルギーが高まるなどの効果、よく噛みゆっくり食べることによって、満腹感が高まり食べすぎを防いだり、食後の血糖値の上昇を緩やかにする効果等が期待できます。また、野菜に含まれる食物繊維は排便の促進や、耐糖能改善作用や血清コレステロール低下作用などが認められていますので、しっかり食物繊維が摂れるように野菜を食べた方がよいでしょう。ビタミンCについてもジュースに粉砕される時、酵素により壊れやすいということもあり、野菜ジュースは野菜の変わりとしては十分であるといえません。野菜が嫌いな人でも簡単に手軽に摂れる野菜ジュースですが、野菜を食べずに、毎日毎食野菜ジュースでもよいわけではないのです。
先日別件で「野菜が高い時には野菜ジュースで代用する」という話を目にし、「代替品たりうるのかな」ということで調べた結果。お手軽ではあるし補完飲料としては役立ちうるけど、完全な代替品としては程遠い。やはり一次食品を直接食らうのが一番だよ、という話。
時間が無い時とか面倒くさい時は、つい愛飲してしまいがちだけどねえ。特に糖分や塩分の点では要注意、と。
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