カシオ計算機が1995年に発売したデジタルカメラ「QV-10」は、現在のデジタルカメラの基礎を築いた製品と言える。そのQV-10がこのほど、国立科学博物館が主催する平成24年度重要科学技術史資料(未来技術遺産)に登録された。
1995年と言えば、今(2012年)から17年前、ちょうどマイクロソフトのWindows 95が登場した年だ。読者諸氏の中には、QV-10を懐かしく思われる方もきっと多いことだろう
QV-10以前のデジタルカメラは、主に報道機関などで使われる高価な業務用の機器だった。そのQV-10だが、撮った写真をその場で確認できるカラー液晶モニタを備え、いらない写真もその場で消去、気に入った写真はPCへ転送、そして持ち運べる携帯性など、今でこそ当たり前であるデジタルカメラの特徴を持ち、当時としては画期的な製品だった。QV-10がきっかけとなり、現在は「カメラと言えばデジタルカメラ」と言えるまでになっている。こうした点が評価され、平成24年度の年度重要科学技術史資料(未来技術遺産)に登録されたとのことだ。
登録データは第00113号。デジカメをいじったことのある人なら、一度は見聞きしたことがあるはずのQV-10。それが「重要科学技術史資料」として認定されたとのこと。発売後のデジカメの趨勢を確認すると、登録されて当然だなあ、と納得してしまう。
こういう話があるのなら、数年前に大手電気店の処分品コーナーにワゴンセール的に並んでいた、新品のQV-10を保護しておくべきだったかなぁ、と後悔(っても置く場所ないんだろうけど)。最近では画像以外に動画でも記録を残す手法を覚えたので、今後は機会を逃さないようにしないと。
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