[つかみは冒頭1章 小冊子 無料試読で売り上げ増]
↑ 小冊子
禁断のお試し版¥0-。新刊書籍の冒頭1章分などを収録した無料冊子が書店の店頭に増えている。この種の試し読みはインターネット上で先行する宣伝手法だが、書店でも効果は上々で、急速に広がってきた。 (中村陽子)
三省堂書店の有楽町店(東京都千代田区)。平積みされている池井戸潤さんの新刊「ロスジェネの逆襲」(ダイヤモンド社)の手前に、一章分の無料冊子が置かれている。「珍しいので何だろうと思った」。冊子を手にした会社員の作道(つくりみち)勝宏さん(58)が興味深そうに話す。
「ロスジェネ~」の無料冊子はダイヤモンド社が用意したが、こうした手法が広まるきっかけは書店員の手作り冊子だという。
【ヤングキングアワーズ2012年1月号 読了】などで取り上げた「ドリフターズ」の小冊子や、ヤングアニマルでの度重なる小冊子付録のように、人気連載作品の初めの数回分や、単行本未収録作品をおまけとして雑誌につけて、集客アイテムとして使うって手法。最近はよく見かけるようになった。元々ネットならではの特性「お試し版の公開」の紙媒体版のようなものだけど、多くの場合において短期決戦販売となりがちな書籍では、本屋にまとめて置かれるこのスタイル、結構良い効果が出ているらしい。コストはそれなりにかかるけど、読者が増えて同シリーズ・同著書の他誌も買ってくれれば大万歳。
出版社からみれば「とにかく小冊子を手に取って確かめて」ってのがあるし、読み手からは「物理的媒体をただで手に入れてお得だな」っていう満足感もある。出版社もフリーペーパーのように、フリー小冊子を定期的に送付するような、そんなサービスを設けてもいいかもしれない。ネットで観れりゃいいってのもあるけど、やはり「手持ちにできるお得感」ってのもあるかなぁ、と。雑誌の付録だと連動性は高いけど、どうしても一過性のものになっちゃうからね。
コメントする