【世界有数の科学ジャーナルもあきれる日本のメディアのレベルの低さ】
iPS細胞を心不全の患者さんに臨床応用したという森口尚史氏の嘘の業績を読売新聞が大々的に報道したことは記憶に新しいですが、それに関して世界有数の科学ジャーナルである「ネイチャー」が強烈に批判している記事をつい先日発表しました。
基本的にぼくは英語論文などを日本語訳するのがとても嫌いなのですが、それをもってしてもこの記事はぜひ広く読まれるべきだと思ったので簡単にではありますが日本語に直してみました。元記事はこちら。
(中略)
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それでも学ばない日本のメディア
ネイチャーが日本の報道レベルの低さに警鐘を鳴らしている最中、産経新聞がさっそくメディアの危機感の無さを露呈するかのような記事を公開しました。
「単語の意味が分からず、言葉というより機関銃の弾のようにも感じた」
なんとも情けない記事で読んでいて目眩すら感じました。当事者である記者が「理解不能」とまで言及しているのにも関わらず、分かっていてその問題を放置している日本のメディアが今後改善していく可能性はあるのでしょうか。
(後略)
既存4マスは多分に無視を決め込むか、あるいは証拠づくりとばかりに小さく取り上げるに過ぎないだろうけど、内容的には非常に大きな、恐らくは後々まで繰り返し引用されるであろう、ネイチャーのお小言の話。先日の【ネイチャー、iPS細胞周りの誤報で日本の報道を「愚か者」と叱る】では追記に概略的な訳を載せたページを紹介したけど、今回はほぼ全訳。さらに今件指摘を裏付けるような、ネイチャーの記事展開後の一例も合わせて紹介されている。
いやあ、「素人感覚」って言葉が流行ってるかもしれないけどさぁ。それをバラエティ番組じゃなくて、報道でやったらアウトでしょ? 文化的事業とかクオリティーペーパーとかいう言葉に失礼だよ、実際。
......失礼だと思える、理解できる能力があれば、そもそもそんなことはしてないか。
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