↑ 百億の昼と千億の夜
以前「総額2500円以上でないと買えません」的なアイテムを購入する際に一緒に調達し、今日の出張の際に電車の中で読み通した一冊。以前一度読んだ記憶はあるんだけど、いつぞやの引っ越しの際に整理してしまったので、これで二冊目になるのかな。
世界の主要宗教や古代文明、さらには生命勃発と進化の謎を全部ひっくるめて、一つの仮説の元に構築したストーリーによる、壮大な宇宙論......とでも説明すれば良いのかな。時間と空間が輪を構築しているってのは良く語られる設定ではあるけど(松本御大の「時の輪の接する」云々ってのもそれだね)、今作はそれを世界、この場合は次元になるのかも、の単位でやっている感じ。三次元世界からみた二次元の様子は、四次元世界からみた三次元と同じようなもの云々とか、色々と想い起されたりもする。
中盤位までは「ロールプレイングゲームやってるみたいだな」感もあったけど、終盤に向けて、次第に切なさが増してくる。個々の人物のあがくありさま、そして避けられぬ命運。絵柄はあっさり目だけど、ストーリー的にはむしろこちらの方が良い感はある。
同じ萩尾望都先生の作品としては「マージナル」というのもおすすめとの話。こちらはまったく知らない作品。機会があれば注文してみよう。
(最終更新:2013/08/23)
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