アルゼンチンでは平均で毎日3人もの子供が行方不明になるが、その事態に関心を抱く人は少ない。そこで「行方不明になる子供に対する、人々の無関心さをどうにかできないものか」として行われたのがこのプロモーション。
フットボールの全国大会の決勝戦当日、会場のスタジオに向かうお客に、行方不明の子供をチェックしてほしいとのチラシを配布する。しかしながら多くの人は無関心で、しかもその場で投げ捨ててしまう人すらいる。
そして満員となった会場の巨大電光掲示板に、試合直前に「行方不明の子供達にもっと関心を」とのCMが。最初に配布されたチラシに貼られた子供の顔写真、そしてそれを配った青年の顔が大きく映し出される。同じ顔。そう、「行方不明」として描かれた三人のうち一人は、まさにそのチラシを配っていた本人だった。ところがそれに気が付いた人は皆無。
CMは続ける。「行方不明となった子供たちは、あなたたちの目の前にいるかもしれない。もっと気を配って、関心を寄せて」。多くの人が、こうべを垂れ、頬にこぶしを当て、色々な思いを胸に抱くようになる。
チラシそのものは恐らく普段配られているものとさほど変わりないだろうけど、ちょっとした演出と下準備をすることで、絶大な効果が期待できる切り口。このようなプロモーションをしなければならないこと自体は不幸な話だけど、やり方としては非常に巧みだね。
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