【社説:1ドル=100円超え そう喜んでもいられぬ(毎日新聞社説)】
外国為替市場で一段と円安に拍車がかかった。4年ぶりに1ドル=101円台まで値下がりし、対ユーロでも円は売られている。これが好調な株式市場を一層盛り上げている。企業業績や高額商品の売り場も明るくなってきた。安倍政権が進める経済政策の効果だと評価する声が多い。
だが、これからの日本にとって弱い円は本当に得なのだろうか。
円安により自動車メーカーのような輸出企業が潤うのは確かだ。しかし、日本の産業構造は変わってきている。円安になれば輸出量が増え、国内で工場の新増設が相次ぎ、雇用増や賃金増に直結するという時代では、もはやない。製造業が海外での生産を増やし、産業のサービス化が進む中で、直接的なメリットは減衰している。
一方、円安はエネルギーや資源、食料などを大量に輸入している日本にとって、輸入額の増加につながり、貿易収支を悪化させる。輸出から輸入を差し引いた貿易収支は2012年度、過去最大の赤字だった。
輸入品の値上がりは、消費者の負担を重くする。業者が消費者への販売価格に転嫁できない場合は、自らの利益が圧迫される。景気回復の足かせとなろう。
......と、「円安マズイよマズイよ、だから今の政権はダメだよダメだよ」とばかりの社説を展開した毎日新聞。どのような社会的事象にもメリット・デメリット双方があるので、全面的に間違っているわけじゃないんだけど......。
2012年度(2012年4月~2013年3月)って、思いっきり円高だった時代がほとんどで、記事の趣旨とは反する状況なんですが?
↑ 円ドルレート変移(週足、2012年4月~2013年3月)
それに貿易収支の悪化の大半は、原発停止に伴う、従来ならば必要のなかった化石燃料の調達費用によるものなんですけどね。
それと為替に限っても、今は「(過度の、一方的なという意味合いが強い)円安」ではなく、「適正レートに向けた流れの中での、一過程における円安方面への動き」なんだよね。
↑ 円ドルレート変移(週足、1993年5月~2013年5月11日)
1ドル100円前後ってのは直近では、リーマンショック~2009年の衆議院選挙・民主党への政権交代ぐらいまでの相場。つまりようやく為替レートの上で「旧に復した」形になる。ここ20年ぐらいの動向を見る限り、110円~120円ぐらいが適正値じゃないのかなあ、と個人的には思うけどね。国際情勢や経済情勢の変化、両国の通貨量の違いもあるので、単純比較は出来ないけどさ。
先日発表された景気ウォッチャー調査のコメント見ても、今の流れ・レベルでの円安ではむしろ好感触の方が大きいし、さまざまな波及効果も期待されている。それに為替周りは結果の一側面でしかないし、多種多様な政策を行っているわけだから、為替だけを見てフンダラするのはいかがなものだろうか。
で、出たー適当に平均取って適正レート云々言っちゃう奴www
1993年5月から2009年の選挙直前までの週足終値の平均値は112円15銭です…m(__)m